今日はいつもよりがんばりすぎた。

学校のベッドで横になるのは、
やはり気が滅入るので、
なるべく少ない時間にしたい。

だから、今日は仕方なく薬を飲んだ。
飲むと、なんとか4時間は動ける。


しかし、薬が切れると恐ろしいぐらいに
ダメージが後からくる。
いつも徒歩で20分の道のりも、
今日は60分もかかった…。

足が前に行きたくても、
腰より上が固まっていて、進めないのだ。


遠いなぁと思いつつも、
不思議と気分は暗くならなかった。
いつもは、自分の身体がふがいなく、
落ち込んでしまうのにだ。

今日は、めちゃくちゃ痛いけど、
「まぁ頑張って長時間過ごせたからな」
「痛いのは当たり前だ。がんばったな背骨」
と、自分の体と話しながら歩く。


家に着くまでに、
なぜ今日は晴れやかな気分なのか考えていた。

横になる時間がいつもより短かくできた。

食堂の洗い物の手伝いを生徒とやれた。

ベテラン先生とプールに行く約束をした。

カウンセラーの先生とたくさん話せた。

こんな些細なことが、
自分の心が晴れやかになるのだと実感した。

振り返ると、結局、いつもより、
人とたくさん話したからなのかもしれない。

ぼくは人と話すのが好きなんだな。

外国人と話すのは、当たり前だが、
英語を使うから、とても疲れる。

けど、やはり伝えたいことを話し、
聞きたいことが聞けると幸せだ。

落ち込んだ時、つらい時、
話すだけで楽になるというのは本当だ。

まだまだ長いリハビリは続くが、
誰かがつらそうだったり、
しんどそうだったりしたら、
ぼくも今日みないな日があって、
「なんか心がレベルアップする日があったよ」
と、伝えようと考えた。
(父)


今日は、教育委員会(スクールボードというらしい)の人が学校を見学しに来た。
勉強しているときに、突然来たので、
ぼくとお父さんは気付かずに話をしていた。
他のみんなは、静かに教育委員会の
人の方を、見ていたので、
ぼくたちは少し目立っていたみたいだ。
その時にMrファーガソン先生が、
「TJ!(お父さんのあだ名)」
と言って、ウィンクしながら、
優しく「聞いてね」と合図をした。
日本の先生なら、こういう時、
ものすごく怒るのに、
Mrファーガソンは、めっちゃかっこよかった。
日本とカナダは違うなと思った。