バンクーバーの病院からの搬送は、
突然始まる。
毎日眠る時、
「今日もプリンスジョージに帰れなかった」
と思っていた。
それなのに、お昼すぎ、
突然
「救急飛行機で帰ります。
30分で用意してください。」
との指令。
用意も何も荷物は紙袋2つ。
あっという間に、
救急車に乗り、救急飛行機の乗り場へ。
ここで、行き先が、プリンスジョージでは
ないことを教わる。
「あなたは、スミザーズ空港へ行き、
そこから救急車に乗り換え、
バーンズレイクの病院に行きます。」
と救急隊員に告げられる。
「えっ?妻と息子に先程、
プリンスジョージに着くと言ってしまった」
と伝えると、
電話しなさいと言われ、
事情を説明。
間一髪、間に合った。
一緒に搬送される患者さんは、
おじいちゃんで、めっちゃ元気。
元気すぎて、うるさいぐらい。
隊員に叱られるおじいちゃんは、
飛行機が上昇すると、
突然無口になった。
たぶん眠らされたのだろう…
ぼくは薬をもらえなかったので、
1時間半のフライトは眠れなかった。
飛行機が到着すれば、
家族に会える。
一週間ぶりの再会だ。
期待が膨らむ。
順調に飛行機はスミザーズに降りる。
救急車に乗り換え、
1時間半でバーンズレイクの病院に到着。
11月23日に事故を起こしたとき、
最初に搬送された病院に戻ってきた。
少し歩けるところも披露して、
今度は個室。
新しい病院らしく何もかも新しい。
部屋には患者用以外に、
2台のソファーベッドも完備。
これほど心強いことはない。
今まで看病できなかった分、
一週間そばにいてくれると聞いて、
安心する。
ゆっくり眠れて幸せだ。





