明け方CTを撮りにストレッチャーで移動。
そして、倉庫で休憩。
すると、
「この倉庫を使うから、移動させる!」
との指令が。
されるがままに運ばれる。
まさかの受付の廊下。
「まじか?」と周りを見たら、
お仲間がちらほら。
ぼくの使っていた倉庫は、
カーテンで閉められ緊急会議が
開かれている様子。
足音がはんぱない。
何が起こるの?怖い怖い。
しばらくすると、
別室に連れて行かれる。
ナースが、
「かなりキツイ薬をこらから打ちます。
そして、あなたは立って、レントゲンを
撮ります。はい力を抜いて〜」
と言う。
意味がわからない!
しかし、薬がすごく気持ちいい。
これは完全にあかんやつ。
モルヒネ的な何かだ。
痛みがなくなり、ふわふわしてる。
ストレッチャーは急ぎ足で、
レントゲン室へ進む。
気付くと、ドSのナースが、
「あなたは立てる!」
「痛くないはず!」
「さぁ立つのよ!」
と言葉攻め。
事故以来、5日。立つどころか、
座ることすらしてないのに、
ストレッチャーから降りて立てって???
もう調教された豚は、
完全にペースを握られ、
気付くと立って、レントゲンを撮っていた。
「次は90度回転して!」
と言われ、なすがまま。
モルヒネ効果で、ずっとハイテンション。
アヘン戦争の授業をしたとき、
ドラックの恐ろしさを伝えてきたが、
まさか実体験するとは思わなかった。
ストレッチャーに横たわると記憶がなくなり、
気付くと夕方。
目が覚めると、
ぼくのチームの医者3の人から
You are lucky man.
No Surgery.
などと言われた。
何度も確認した。
医者1と話をさせてくれ!
と言ったが「彼女はSurgery中だから無理!」
と言われて諦めた。
そして、夜、ぼくは、
背骨の怪我専用病棟、9階に移動した。
手術がなくなったことは、
この上なくうれしいが、
では、俺はいったい何しに、
バンクーバーへ来たのだろうか?
自問自答しながら、眠った。