今日もバンクーバー行きは無理だろうと
あきらめていたら、午後から突然動く。

今からバンクーバーへ行きます!
とパイロットと救急隊員が説明してくれる。

ここから飛行場へは救急車。
救急車から飛行機。
バンクーバーに着く。
そこからまた救急車。
そして、
バンクーバーで一番大きな病院へ行く。

計画は全て順調。


横になりながら、飛行機に乗るのは初。

機内はかなり狭い。

荷物は紙袋2つのみ。


とりあえず、
バンクーバーに午後6時頃着いた。
強い薬を打ってくれていたおかげで、
ほとんど眠っていた。
だいたい4時間かかったみたいだ。

バンクーバー1大きい病院だと思い、
4日待った勝手な貸しもあり、
イメージしていたのは、
背骨専門の外科に通されると思っていた。

しかし、
見事にここはERだ。
救命搬送される人が、山ほどいる。

ぼくのストレッチャーが置かれた場所は、
薬の倉庫。

「ここはぼくの部屋?」
とナースに聞くと、
「イエス」と言って、バタバタと消える。

意味がわからないが、
廻りは常に騒がしく、
怪我人の声、泣き叫ぶ声、
医者の冷静な声、電子音が響きわたる。

行ったことはないが、
野戦病院みたいだ。

そして、
海外ドラマERの世界に紛れ込んでしまった。

放置されて8時間…

深夜になり、少し広い部屋に移動した。


ぼくのストレッチャーを囲んで、
何やら会議している。

配役は
医者1.2.3
ナース1.2.3
薬剤師
と言ったところだ。

話している内容が早すぎて、
理解しずらかったが、
どうやら背骨をCTで撮り、
結果次第で「Surgery」だと言う。

サージェリーってなんだ?
オペじゃないのか?
「オペ」はフランス語のようで、
英語は手術をSurgeryと言うらしい。

バンクーバーに行けば、
日本人もたくさんいるし、
社会福祉士が日本人ガイドをつけて
くれるって言われ、送り出されたけど、
いったいどこにいるのだろうと思いながら、
ブザー音が鳴り響く倉庫で一夜を明かした。