短い睡眠を繰り返し、
時計を見ると明け方5時。

Swallowと命じる辛いチューブを
そろそろ取って欲しいとナースに告げる。

すると、取ってくれた。

とにかく喉が乾いたから、
水が欲しいと懇願するが、
「水はダメ!」は変わらない…

すると、
「アイスチップスならOK」と
ナースがお医者さまに確認してくれた。

「ぜひ頼む!」
とアイスチップスを口に入れてもらう。



これが最高に美味しい。

小さな小さなアイスチップスだが、
気持ちは、アイスボックスの味。


全く味はしないけど、
2日ぶりに得た水分だ。

胃からのチューブも抜けて、
アイスチップスももらえて幸せ気分。

また眠りに着いた。

起きると、妻が来ていた。
しかし、息子をピックアップしなければ
いけないため、
夕方には帰らねばならないという。

これから、どんな苦難が待っているか
わからないのに、旦那を残して、
帰る妻の気持ちを慮り、気丈に見送る。
逆の立場じゃなくて、
本当によかった。

しかし、バンクーバー行きの救急飛行機に
今日は乗れるかわからないという。

それならそれで仕方ない。

命あっただけもうけものと思い、
ただひたすらに時間が過ぎるのを待った。