バンクーバーの病院の一般患者用の
部屋に移動した。

看護師さんは、みんな優しい。
気力がなく食事が食べれないぼくに、
点滴で栄養を補ってくれている。


ぼくが5日間、何も食べれていない…
というと、
ピーは?
プーは?
と聞いてくる。

ピーはおしっこで、



プーはうんちだ。




ピーはぼくのペニスが専用の管で繋がれていて、
勝手に出ている仕組み。感覚はない。

プーは、食べてないから出ていない…
と伝えると、
「OK!」と慌ててナースステーションに
戻り、何やら茶色い薬を持ってきた。




早口に英語でまくしたて、
「とりあえずこれをお尻に入れる」
とぼくなりに解釈。

なんで?坐薬はノーノー?
何も食べてないから、腸には何もない!
と、必死に英語で伝えるが、
仲間のナースも参加してきて、
多勢に無勢…

ということで、丸太のように横にされて、
なぜか坐薬が投入…

さらに、
よくわからないが、
指をお尻の奥に入れられ、
「absorb!」と叫ぶナース。

absorb?
確か単語帳で「吸収する」の意味だったよな?
こんな所で使う?
そうか、ナースは、私の指を吸い込め!
と言ってるのか!
よし!
黄門に力を入れる!

「absoruly!」
またナースが言う。

absoruly?
確か単語帳で「絶対的に」の意味だったよな?
absorbでabsoruly?
もう意味わからん…
とりあえず、また黄門を締める。
すると、
「good job」と言って、
指を抜いてくれた。

その後、
なぜ坐薬?
腸に熱があるのか?
意味わからん?
と思っていると…

15分すると、お腹がぐるぐる鳴り出す。
やばいこれはPOOだ。
立てない歩けないぼくにとって、
恐怖の時間。

オムツもはいてないので、
リングベルを押す。
(ナースコールは日本の造語)
そそくさと寝ているぼくのお尻にオムツをし、
その下に洗面器みたいなのを置いてくれた。


はい、これでいいですよ!
と言われても、
オムツにPOOをするのは、
赤ちゃん以来。

記憶すらない。
ぐるぐる鳴るお腹は、
早く出たいとおっしゃる。
けど、自我がいやがる。

しかし、坐薬の力には勝てず、昇天。

何も食べてないのに、POOが出た。

一度出たから、お尻を拭いてもらおうと
リングベルを鳴らす。
しかし誰も来ない…

なんでやねん?
と思っていたら、
また新たなPOOがやってくる。
腸が痙攣し、昇天!

なるほど、
無理矢理出してるんだな。
これは宿便ってやつだな。
リングベルを鳴らして、拭いてもらおうとする。
しかし誰も来ない。

なるほど、
これはわかってて来ないんだなナースさんたち。
まだまだPOOが出るということか…

その後45分間コンスタントに、
腸が痙攣しPOO→昇天のリズムが続く…

お尻が気持ち悪いがもはや仕方ない。

最後のPOOから15分何も起こらなかったから
もう一度リングベルを鳴らす。

すると、ナースが来てくれた!
「POO出た?」と一言。

涙目でうなずくと、
またすごい早いテンポでPOOとオムツを
取り除き、お尻まで拭いてくれた。
情けないのと、うれしいのとで、涙が出る。

ナースにお礼を伝え、
「ぼく、よくなりますか?」と
聞いてみる。

すると、
「absoruly」
とナース。

absoな1日に感謝。