おいしいアンソロジー
ビール
〜今日もゴクゴク、喉がなる〜
阿川佐和子 他
ビールにまつわるエッセイ集。
この本のシリーズの面白い所は、1883年生まれの北大路魯山人だったり、1904年生まれの辰巳浜子、そしてエッセイストでお馴染みの東海林さだお、村上春樹などなど、、今回は赤塚不二夫の天才バカボンの漫画も登場!
それぞれの時代のビールの楽しみ方が読めて面白かった
吉野家みたいに(今は違うかも?)お酒は1人1本まで、と決まっている時代があったようです(内田百閒)
楽しみ方だったり、飲み方のこだわりだったり、ビールにまつわる思い出話などなど、、
興味深くページをめくりました。
家でビアガーデンのアイデア。良いねー
今年はバケツに氷水で缶ビールを冷やして、ビアガーデンやっちゃおうかな!
つまみはピース。(グリーンピース。ピースって呼ぶの気に入っちゃった。今度から使わせていただきます。)
枝豆ももちろんよ。
サッポロビールは北海道、アサヒは大阪の吹田市
キリンは横浜、海外でもそう。
それぞれの地域で飲むのが美味いらしい。
(これについては多数の方が書いている。)
ビールは鮮度ですね!
ビールの注ぎ方もこだわりがあるみたいで、、
「ウンウンワカルー」と、頷きながら読んでましたよ♪
お酒に関するエッセイ集だから、この人は外せないかな。
中島らものエッセイが出てきた時は
「あら〜!らもさんお久しぶりです」
という感じで嬉しかった!
(会った事はない。ファンなんです。酒飲みさんには「水に似た感情」を是非読んでほしい)
「最近ビールが好きになってきた。(〜略〜)まあ例えていえば一部屋に市原悦子と閉じ込められている。最初はキャーキャー言うので困るのだが、やがて少しずつ好きになっていく、そんな感じだ」
わっはっは!
秀逸!
そんな中で一編、涙が出ちゃったお話し。
演出家、テレビディレクターの
吉田直哉
〜ネパールのビール〜
昭和60年の夏、撮影のために訪れたネパールの村。
世界の水準よりも下と、住民達も自覚している村で出会った15才の少年、チェトリ君。
小さな村から下宿をして学校に通い、小さな石油ランプだけで勉学に励む少年です。
一日目の撮影が終わった後、目の前に清冽な小川が流れているので「ここでビールを冷やして飲んだら、美味いだろうなあ」(撮影班は荷物の重さを考えて、アルコール度数の高いウイスキーしか持ってきていない)
それを聞いたチェトリ君は、大人の足でも1時間半はかかる峠の茶屋まで5本のビールを買ってきてくれる。
次の日。
「今日は土曜日で、もう学校も終わりだし、明日は休みだからビールをたくさん買ってきてあげられるよ」
お言葉に甘えて、
ビールを1ダース以上買えるお金をチェトリ君に渡し、おつかいをお願いする。
しかし、夜になっても二日経っても帰ってこない。
周りの大人達は
「あれだけの大金を持ったのだから、地元に帰って家族ごと大きな街へ逃げたのだろう。」
と言う。
吉田さんは、怒ったり、騙されたと悲しむでなく、歯軋りするほど後悔をします。
「つい、日本の感覚で、ネパールの子供にとっては信じられないような大金を渡してしまった。あんないい子の一生を狂わせてしまった。」
しかし三日目の深夜、チェトリ君は戻ってきます。
泥まみれのヨレヨレで。
「行った店には三本しかビールがなくて、山を四つ越した別の峠まで行って来た。全部で十本買ったけど、転んで三本割ってしまった。」
と、泣きながら割れた瓶とお釣りを渡すチェトリ君。
吉田さんは泣き、深く反省をし、チェトリ君を抱きしめます。
うぅ、、、。
大人と少年の純粋さに涙が出てきちゃいました。
この感情は何て言ったら良いのかな、、。
切ないでもなく、悲しみでもなく、喜びでもなく、、
なんとも複雑な感情でありました。
こういう気持ちは、何て書くと良いのでしょうかね?
教えて編集長!(笑笑)
この本を読み終わってから、自分のビール話でも書こうと思っていたけど、思ったより長く書いてしまったので、ここで終わり!
です!
おまけ
遠藤周作トリビア
ビールを飲みすぎてトイレに行きたいけど、行けない時は
♪えっさ、えっさ、えっさホイのサッサ
お猿のカゴ屋は ほいサッサ♪
と、心の中で歌うと尿意と闘うのに効果があるそうです。アップテンポが良いらしい!