少年H 上・下巻
妹尾河童




戦中、戦後の神戸で、少年Hは何を見て、何を感じて、どう考えて生きていくのか?

戦争を子供の視点で描いたベストセラー。



今まで読まなかった事を後悔した本。


この本はもっと早くに出会っていたかったな!

若い頃に読んでいたら良かった。

何回でも読み返して、その度に気付くことがある本だと思いました。




恥ずかしながら私は戦争の歴史に対して、ほぼ無知の人間です。

時代背景を描くのに新聞記事も含めて詳しく描いてあるのでわかりやすかったし、勉強にもなりました。




戦争中の日本であった事の歴史、その時代を生きる人々の事が、少年Hの目線で書かれています。

仲良くしてくれた近所のお兄さんの悲しい決断。

いつもおなかをすかせていて、お腹もくだしやすかった事。

空襲から逃げ回るシーン。

学校での色んな教官や級友、先輩との事。


飄々と書いていますが、それが少年からの目線だと思うと更に現実味が増しました。



少年Hは、両親や周りの大人、友達に助けてもらい、たくさんの事を教えてもらいながら生きていきます。
わからない事は聞いていく素直な所が少年らしく、爽やかな印象です。


終戦直後は心がついていかずノイローゼになるような場面もありましたが、、。


最後の方では
そっか!
だから少年Hは妹尾河童になったんだな。と。
納得の行くシーン、多数出てきます。



妹尾河童さんのことは、
「面白い名前の人でインド旅行記を書いている人?」
くらいの認識しか無かったのですが。

日本を代表する舞台美術家なのですね。
本を読んでいくうちに、著者紹介文と重なるところがでてきて(絵を描くのが得意な所とか)納得しました。

少年少女の皆様には是非読んでみてもらいたいな。
大人の皆様にも、、。

オススメです。