直腸にあるがん細胞と
周囲のリンパ節を取り除き
ストーマ(人工肛門)を造設する
8時間かかると言われていた手術は
結局10時間ほどかかり
わたしが目覚めた時には
19時すぎで
ガラガラと運ばれていく
ベッドの上から見た空は
すでに
真っ暗になっていました。
2016年に
股関節の手術をした影響で
骨盤内の炎症がひどく、
「リンパを取り除いて
綺麗にするのに
随分苦労した」
と担当の医師が
後から教えてくれました。
しばらくの間
その医師は会うたびに
「あんなのは初めてだった」
「あれは本当に大変だった、、」
と何度も言っていたので
本当に大変だったのだと思います。
股関節の手術の時も
そうだったのですが
今回も
手術の後、目覚めてすぐ
本当に寒くて寒くて
歯がガタガタいうほど
ひどく震えていました。
さむい、、、
と伝えて
看護師さんに湯たんぽや
毛布などで暖かくしてもらい
二人部屋へ。
鼻の管がとても不快で
喉も痛いし、
手術中に
いろいろな機器をつけていたせいで
傷がついたのか、
上唇は血が出て
ボンボンに腫れていました。
痰を出そうと
お腹に力を入れると
痛くて痛くて、、
本当につらかったのを覚えています。
とにかくこの日は
ただひたすらに
本当によく寝ました。
酸素マスクがつけられているけれど
わたしはそれが嫌いだったようで
寝ている間に何度も外してしまい
看護師さんが
様子を見にくるたびに
わたしの顔に
酸素マスクを
つけ直してくれていました。
酸素マスクをすぐ外してしまうけれど
血中酸素濃度はキチンとあるので
大丈夫でしょう、と看護師さんは
ニッコリしてくれていました。
その日の夜は
さむいさむい、、、
からの
暑い暑い、、、
で
湯たんぽで
温めてもらっていたところから
今度は氷枕で冷やしてもらい
看護師さんには
本当にお世話になりました。
次の日の朝
目覚めると
体温は38度代と高く
少し動いただけで
血圧が下がったようでした。
病室に
ポータブルレントゲンが運ばれ
レントゲン撮影。
すごくお腹は空いているけれど
まだ食べることはできないし
少し動くだけで
お腹は痛みました。
看護師さんが
ストーマ(人工肛門)の周りに
装着しているパウチ(袋)
の交換をしてくれた時に
初めてストーマを見ました。
おへその横あたりに
腸が丸出しになって
ひっついているのですが
あんなに嫌でのたうち回るほど
抵抗があったストーマが
なぜだか
全く嫌ではありませんでした。
何だか
かわええやん、
くらいに思っている自分がいて
驚くほどすんなりと
ストーマを受け容れている
自分がいました。
ストーマの形は
人それぞれのようですが
わたしのは
ネットなどで見たものよりも
少し大きい感じがしました。
それでも
不思議と
このお腹にひっついている
ストーマが
愛おしくて
これからどうぞよろしくね、
という氣もちになっていました。
(どうしてこういう心境になったのかは
謎で、理由もわかりませんが、
手術が終わったらそうなっていました)
お腹にひっついて
ぶら下がっているパウチについても
へぇ〜こんな感じなんだ、
と
興味を持って
観察している感じでした。
術後の
腸の癒着を避けるために
一度起き上がって
歩いてください、と言われ
起きあがろうとすると
なんと
腹筋に力を入れる方法がわからなくて
どうやって起き上がっていいかも
わからなくなっていました。
あれ?
どうやって起き上がるの?
と
愕然としました。
その後
看護師さんに手伝ってもらって
起き上がると、、
お腹がめちゃくちゃ痛くて
お尻もめちゃくちゃ痛くて
びっくりしました。
手術で
腸を切り取って、
お尻の肉も
くり抜いて
縫い閉じているわけですから
痛いはずです。
起き上がった時に
一瞬めまいもして
かなりヨボヨボでしたが
一応
ほんの少しだけ
歩くことができました。