ブルゴーニュの田舎の家での滞在最終日。

 

今夜、8時頃ここを発ち、車でパリに戻ります。

 

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昨日(土曜日)は友人夫妻が陶器のイベントに行くというので、一緒に行きました。

この地方では春になると毎週末、いろんなイベントが開かれるそうです。

陶器のイベントもその一つ。

 

これまでで一番天気が良く、気温も上昇、一足飛びに7月初めの気候。

陽射しが強くて、友人の奥さんミミさんに帽子を借りた上に、折り畳みの雨傘を日傘代わりにさして日焼けを防ぎました。

日傘さしている人なんて私だけ。

 

陶器のイベントはお城で開かれ、正面の庭ではたくさんの陶器作家が作品を売っていました。

人も多く大盛況。

城も芝生も出店も美しかった。

その後は陶器づくりの場所やら展示やらを見て回りましたが、陽射しが強い中かなり歩いたため消耗しました。

 

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今(日曜の午後)は、滞在中で初めて何の予定もない時間。

部屋の中で過ごしています。

目の前には庭と野菜畑。

芝生も木々も緑、緑、緑。

 

午前中は友人夫婦の畑仕事を手伝いました。

彼らはトマト、ジャガイモ、リーフレタス、ブレット、ベリーの実などを家庭栽培していて、滞在中はよく手伝っています。

今日のメインの畑仕事はトマトの植え付け。

 

庭にビニールを張った簡単な温室があり、トマトはその温室内に植えました。

「植える」と一言で言っても、土を掘ってそこに苗を入れ土を被せるだけの単純な作業ではありません。

 

以下が手順:

・特定の葉っぱ2種類を採ってくる。

・苗を入れる穴を掘る。

・採ってきた2種類の葉を手でクシャクシャにして、穴の中に入れる。

・ポットからやさしく苗を取り出して穴に入れる。

・肥えた土を被せて穴を埋め、手の平でならして軽く押さえる。

・乾燥して干からびた藁を手で砕き細かくし、植えた苗の周りに厚くかつまんべんなく被せる。

・肥料になる水(匂いが強い、雨水の他に人間の尿も入ってると思われる)を大きなジョウロに汲んできて、藁の上に何度もたっぷり注ぐ。

・苗がまっすぐ上に成長するように、苗にくくり付けた紐を温室の天井に留める。

・植えた苗の周りに円柱形のワイヤーの枠を立てる。

 

トマトの苗を一つ植え付けるごとに、この一連の作業。

 

奥さんのミミさんは野菜作りに熱心で、その徹底ぶりには感心させられます。

夫妻の行き届いた手入れで、土は肥えており野菜はよく育ちます。

 

庭には、刈られて間もないのまだ湿った草、乾いた草、枝を細かく砕いたもの、藁などの、肥料となるものがいろいろとあります。

店で売られている肥料や土は使用せず、すべてオーガニック。

したがって、苗床作りで土を掘り返す作業では結構な頻度でミミズが出てくる。

それだけはカンベン。

絶対に慣れません。

毎回大声を上げて、飛び退きます。

 

野菜を自給自足する生活に豊かさを感じます。

私の母も野菜作りが好きで、トマト、キュウリ、人参、ナス、ホウレン草などを育てて、食事に使ったり人にあげたりしてました。

父は母の野菜作りを手伝わなかったため、母は一人で何から何まで大変だっただろうなと思います。

 

友人夫妻の話に戻ります。

彼らの田舎の家では、普段の食卓に採れたての新鮮な野菜が並びます。

庭にさっと出て、強くしっかりと育った大きなグリーンリーフを、土の中に深くスコップを差し込んで採って、土を落としてから、キッチンのシンクでよ~く洗ってサラダに使う。

 

庭で育てているベリーからは複数の種類のジャムを手作り。

朝食には瓶詰めしたジャムがテーブルに並びます。

貯蔵棚にもジャムや果物などが瓶詰されています。

 

この豊かな暮らしぶりにあこがれますが、野菜作りは大変。

私のように「日焼けが~と」などどウダウダ言ってる人にはとても真似できません。

ミミさんは日差しの中、化粧もせず日焼け止めも塗らず、帽子と半袖のTシャツ姿で作業。

重い重いエンジン式の草刈り機も操縦して、庭中ガンガンかけますしね。

たくましいです。

 

またまた話が逸れました。午前中の畑仕事に話に戻ります。

トマト植え付けの後は、木の枝の剪定をお手伝い。

ミミさんは60代後半の女性ですが、これは無理なんでは・・と思えるほどの太い枝も、両腕に万力を込めて切っていました。

 

かなり剪定したためスカスカになり、私などはせっかく伸びた木の枝と葉っぱを切り落とすのが忍びなく思えるのですが、

上方向に伸びると朽ちた枝が道路に落ちることもあり、危ないのだそう。

 

切り落とした枝を庭の所定の場所まで持って行くのが私の仕事。

何度も往復して運びました。

友人夫婦にはかないませんが、よく働きました。

 

友人夫婦に、「手伝って」なんて言われたことは一度もありません。

彼らが庭仕事に精を出している間、私は部屋で好きなことしていても、彼らは何も言わないし何とも思わないでしょう。

でも、自分だけ何もしないでいるなんてできません。

 

快適な滞在をさせてもらっていることへの感謝の気持ちから積極的に手伝っています。

新しい経験にもなりますし、作業後は達成感もあります。

 

私も食事で野菜やらジャムやら食べていて、恩恵にあずかってますしね。

それに、一緒に畑仕事をするともっと仲良くなれます。

 

午前中いっぱい、畑仕事に精を出した後は昼食。

労働の後の食事は格別。

 

昼食のメニュー:

・グリーンサラダ(庭からグリーンリーフレタスを収穫)

ドレッシングはその都度手作り

・クリームパスタ(小さく切った豚肉が入っている)

・白ワイン(ゲストを呼んだ金曜のディナーの残り)

・バゲット(前日土曜日のマルシェで購入)

 

これを、広々としたダイニングで、緑いっぱいの庭を目の間にして、広々としたテーブルで食べるのです。

白ワインとともに。

 

肩からふ~っと力が抜けて、幸せな気分になります。

 

今日のデザートはアイスクリームでした。

 

食事が終わり、友人が冷凍庫から4種類のアイスクリームを取り出してテーブルに並べました。

それを見た私が感激して「ビバ、フランス!!!」と叫んだので、友人夫妻は大笑いしました。

 

 

 

こんな風に過ごしております。

 

あらら、庭では、夫妻がどうやら午後の畑仕事を始めた模様。

着替えて手伝ってくることにします。

 

その後は、シャワーを浴びて、パッキングして、部屋の床を掃いて・・・

軽く食事をとってから、夜にはここを発ちパリへの帰途に着きます。

 

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