朝寝坊してしまった。
起きたのはいつもより1時間遅い9時半。
前日寝たのが午前2時近かったためだ。
だんだん、夜更かしをするようになっている。
これはいかん!
いつもはお腹いっぱいになるくらい朝食を食べるのだが、
この日は作る時間が惜しくて軽めにすませる。
今日の訪問は、カルナヴァレ美術館とその近くのコニャック・ジェイ美術館を予定。
時間に余裕があったら、マレ地区をブラブラしてみようか。
カルナヴァレ美術館は昨日も行ったのだが、見ている途中で閉館時間になってしまい、全部回ることができなかった。
だから今日は2日続けての来館。
とは言っても、すでに、4、5回は行っている美術館。
無料なので何度でも行ける。
前回行ったのは2022年の秋、ジャンと一緒だった。
当時は事前に時間予約が必要だったが今回は不要だった。
出かけるのは1時過ぎになった。
空は今日もどんよりしている。相変わらず寒い。
A線でリヨン駅まで、メトロ1番に乗り換えてサン=ポール駅で下車。
それにしても、リヨン駅のA線⇒メトロ1番はかなりの距離がある。
サン=ポールまでならナシオンで乗り換えた方が早いのかな?
サン=ポール駅から美術館までは数百メートルの距離。
昨日は少し迷ったが、今日はすんなり行けた。
館内には昨日と同様待たずに入れた。
この美術館はパリの歴史を包括的に展示している。
見ごたえがあるため、すべてを丁寧に見るなら2時間では足りない。
私はフランス革命とそれ以降をじっくり見たかったため、再訪した。
入館してロッカーに荷物を預けてエレベーターで2階へ上がり、
渡り廊下を直進して階段で3階の展示室へ。
昨日途中までだった展示室から見始めた。
おっとスマホをロッカーの中に忘れてしまった。
やっぱり写真は撮りたい。
面倒だが取りに戻れことにする。
また階段⇒エレベーターで1階に降り、ロッカーから荷物を取り出しスマホを抜いて再びた3階に上がる。
私はマリー・アントワネットに大変興味があり、
マリー・アントワネットの伝記(シュテファン・ツヴァイク原作で翻訳中野京子)と、
「ヴァレンヌ逃亡」中野京子著を読んだことがある。
両方とも読むに値する面白さだった。
マリー・アントワネットがコンシェルジュリーニ幽閉中の肖像や、
断頭台へ向かう日、後ろ手に手を縛られてコンシェルジュリーを出ていく、
威厳のある姿を描いた絵画もこの美術館で見ることができる。
実物の絵を目の前にするのは感慨深い。
カルナヴァレ美術館での鑑賞を終えて、オフラインマップのナビを頼りにコニャック・ジェイ美術館へ行く。
コニャック・ジェイ美術館はカルナヴァレ美術館より小さいが、絵画や美術品などがぎっしり。こちらも楽しみにしていた。
入口の扉を開こうとすると、長身でアフリカ系の係員が中から扉を開けてくれた。
人の好さそうな男性。
セキュリティチェックだと思って、「セキュリティですね?」と尋ねる。
私が自分のリュックを空けて見せようとすると、何かを伝えようとしている。
係員:「フランス語話せる?」(仏語)
私:「少し」(仏語)(この方は英語を話せないようだ)
係員:「実は入場チケットの機械に問題が起きている」(仏語)
多分クレジットカード使えないからチケットの購入は現金しかできない、という問題だったのかと思う。
以下すべて仏語のやり取り。
私:「でも、(入場は)無料ですよね」
係員:「無料じゃない」
私:「ええっつ!無料じゃない?」
係員:「そうだ、無料じゃない」
私:「いくらですか」
係員:「9ユーロ」
私:「えええっつ!」、「インターネットでは無料と書いてあった」
係員:「ごめん。無料じゃなくなったんだ」
私:(いつから無料じゃなくなったんだろう・・・残念)
私:「9ユーロ・・・高い」
係員:「ここに無料のミュゼが載っている」と親切にも冊子をくれる。
これ👇
私:「(表紙に載っているパリ近代美術館を指さして)ここはすでに行ったよ」
私:「では、この (指さして) ミュゼロマンチックに行きます(こちらも表紙に載っている)」
係員:「ああ、ミュゼロマンチックね、それはいいね」
もともとコニャックジェイのあと、ミュゼロマンチックに行くのもいいなと思っていて、
ルートもメモしていた。
それにしてもコニャック・ジェイ美術館が有料、しかも9ユーロだなんて。
残念。
今回のパリ滞在では、ルーブルとオルセー以外は無料のミュゼしか行かないと決めている。
これまでの渡仏でミュゼは小さなところ含めてほとんどすべて行ったことがある。
もちろん、再訪したいミュゼもあるが今回は基本行かないことにしている。
節約を優先。
しかし先週プチパレで特別展を見たため、すでに12ユーロ使った。
ミュゼ以外も無料の図書館、教会、公園しか行かないつもりだ。
気を取り直して、コニャック・ジェイ美術館を後にしメトロ駅まで戻る。
メトロ1番線サン=ポール⇒コンコルド⇒12番に乗り換えてSaint-Georgesまで。
12番線は古い地下鉄。そこそこ混んでいた。
コンコルドから2つくらい駅を過ぎると少し空いてきた。
男性が「マダム、ここに座ったらいいですよ」と私に話しかけてくれる。
50代半ば、少し小柄、禿げ頭、引き締まった体つき、体にぴったりしたきちんとした格好をしている。
私:「ありがとう」
私の隣が開いているので、指さして「ここへどうぞお座りください」と男性にジェスチャーを送る。
男性:「(降りる駅は)すぐだからいい」(仏語)
私が扉の上の駅名を見て降りる駅を探していると、
男性:「どこまで行くのですか」
私:「Saint-Georgesです」
男性:「1,2,3・・・(駅名を指さしながら数えて)4つ目ですよ」
私:「オーケー」(仏語)
電車はSaint-Georgesに到着。
男性はわざわざ扉のところまで来て、私のために扉のハンドルを回してくれた!
男性:「マダム、どうぞ」
私:「ありがとう。よい午後を!」
小さいけれどローカルの方とのやり取り。
ムッシュー、あなたの小さな親切は、この日本から来たひとりぼっち旅行者の心を癒しました。
話しかけてくれて、気を配ってくれてありがとう。
あなたも、私のこの旅物語の一人の登場人物、そして一つの小さな思い出の一コマです。
仏語がまったく喋れなかった頃は👆のようなやり取りすらもできなかった。
Saint-Georges到着。
オフラインマップのナビを頼りに進む。
同じ高さのアパルトマンが立ち並ぶパリらしい通りを進む。
歩きながら写真を撮る。
まったくどこを切り取っても絵になる。
写真を撮って終わりの観光客になってはならぬと、時折足を止めて景色に見入る。
ロマン主義美術館に到着。
ここも何度もきたミュゼ(無料)。
そうそう、こんなエントランスだった。
建物までの短い小道も美しい。
小さなミュゼだが、じっくり見学。
館内ではネットに接続できるため、
ジョルジュ・サンド、画家のアリ・シェフェールなどについてネットでリサーチしながら丁寧に見た。
写真だけで終わらないようにじっくり味わう。
今日は食料品の買い物をしたかったため、早めに帰途に着く。
ミュゼを後にし、メトロのブランシュ駅まで歩くと有名な「赤い風車」があった。
おお、ここがムーランルージュか・・
そして、隣にはモンマルトルへの入り口となる通りがあった。
地理が少し理解できた。
ブランシュ駅からメトロ2番線でシャルル・ドゴール・エトワール駅まで。
そこからA線に乗り換えようとするも、間違えて西方面行きの方に行ってしまった(逆方向)。
もう改札ゲートを通ってしまったため、そのままA線に乗車してディフェンス駅に行き
ディフェンスから東方面行のA線に乗った。
時間を結構ロスしてしまった。
V駅(最寄り駅)。
ここから今日はまっすぐ帰らずに、ユカリさん(仮名)(同じ家に長期滞在している日本人女性)から教えてもらったスーパーLIDLへ初めて行ってみることにする。
オフラインマップのナビを頼りに進む。
駅から1キロ以上あって遠い。
途中で正面から歩いてきた男性に仏語で道を尋ねる。
「あそこに青い看板が見えるだろう。あそこの左側にあるよ」
と教えてくれた。
スーパーLIDLは教えてもらった通り、野菜・果物が安かった。
その他も品数豊富で安かった。
教えてくれたユカリさんには感謝である。
レジでは現金とカード払いのラインに分かれていて、私はカードの方に並んだ。
たっぷり15分は待った。
日本じゃ考えられない。
19:45頃帰宅。
遅くなってしまったが、お腹が空いていたためしっかりと夕飯を作って食べた。