私が疲れ果てた頃、ドンチャンも疲れ果てたらしく、家に全く寄り付かなくなった。
かわりに我が家の前の電線がドンチャンの場所になった。
流石にここまでは棒は届かないし、我が家に来なければ、私は構わない。
夜もここに居て、ちょっと可哀想。
狙われないの?もう少し違う場所にしたら?と言ったが通じない。
ドンチャンが来なくなったと同時に、また室外機にちょこちょこ大人の鳩がチャレンジして来るようになった。
縄張り的な感じなのか?
よくわからん。
血鬼術の我が家のたけし城(室外機)に見るからに強者達が果敢に挑んで来る。
ピチピチの若者のマッチョな鳩達。
やる気満々だなぁ…!
そんなある日、いつもの6時半頃、ベランダで羽音がした。
その日はお休みで、家に居た。
彼も遊びに来ていてご飯の準備をしていたとこ。
『あ!また来たかも!』
私はベランダに飛び出した。
すると鳩が室外機の猫のオブジェの辺りを強行突破しようとしていた。
私がドアを開けたと同時に驚いたのかバサバサバサバサ!と暴れたと同時に
鳩が宙吊りになってしまった
とにかく衝撃的な状況で、鳩を助ける事しか考えて無かったので写真は無いのでイメージ図です。
まさに吊るされた男
ザ!ハングドマン!
不本意ながら私の血鬼術が発動してしまい
テグスに鳩の足が絡まって宙吊りに
ありゃりゃ…
しかも宙吊りで暴れるから、昔、テキ屋で売ってた意味もなく紐が付いていてグルグル回るオモチャみたいに周っている知ってる?
…シュールな光景だ。
『鳩がハングドマンになった!』
『は?』と彼
呼びに行き、鳩を見た彼は
怖!デカ!
目が怖い!
そう!彼は鳩が!鳥が大の苦手なんです
ごめんね。
私の周りは鳥が苦手な人が実は多いのだ。
これ⤵︎観てから尚更苦手らしいです。
『とりあえず早くテグス切ってあげなきゃ!』
と、まず私が近付いていくと、室外機から吊られた鳩が暴れて近付けない
ビュンビュン飛んで周る。
かなり大きい鳩で、力も強くめちゃくちゃ怖い
棒でテグスを引っ張ってギリギリまで鳩を離してからテグスを切る事しか方法が無いかもしれない!
と思って棒でテグスと鳩を同時に引っ張るが…
おっ…重い!
重い…鳩。マッチョだなぁ。
今までで1番デカい?
しかも暴れてるからめちゃくちゃ強い力で引っ張られる。
みかねた彼が
『俺がやる!』
と頑張ってくれました。
棒で鳩を遠ざけてくれたら私が切るよ!
こっちに向かってくるかもだから…
と言ったのですが、大丈夫!と頑張ってくれました。
この時、我が家のベランダの前は、別棟のマンションの駐車場になっていて、ちょうど帰宅ラッシュのこの時間、この光景を見守る野次馬が
鳩付きのテグスをギリギリまで引っ張ってテグスを切った瞬間、凄い勢いで鳩は逃げていきました。
下から拍手が…
シーン。
私と彼は放心状態
鳩が去った後に、たけし城を確認したらテグスがボロボロになってるし、バリから持って来た猫のオブジェが壊されていた
どんだけの力で突進したのよ?
チーン
『ごめん。
これでまた明日、鳩が釣れたら困るから
今から室外機だけ網をはるから100均行って網買って来て、網貼るの手伝ってもらっても良いかな?』
このまま血鬼術が発動し続けたら、毎回鳩がハングドマンになってしまう。
今日は家にいたからまだ良いが…仕事だったら帰宅は深夜0時過ぎ。
鳩が6時間吊るされたら死んでしまう
夜中に鳩が吊るされたら嫌だ。
それは困るし、可哀想…と思って、室外機だけ網を貼る事にしました。
続く。