1957年12月東横ホール『寺子屋』の小太郎で坂東喜の字を名のり初舞台。1964年6月十四代目守田勘弥の養子となり、歌舞伎座『心中刃は氷の朔日』のおたまほかで五代目坂東玉三郎を襲名。泉鏡花の唯美的な世界の舞台化にも意欲的で、代表作の『天守物語』をはじめ数々の優れた舞台を創りあげてきた。また歌舞伎の枠を超えて、世界の芸術家まで大きな影響を与え、賞賛を得てきた。若くしてニューヨークのメトロポリタン歌劇場に招聘されて『鷺娘』を踊って絶賛されたのをはじめ、アンジェイ・ワイダやダニエル・シュミット、ヨーヨー・マなど世界の超一流の芸術家たちと多彩なコラボレーションを展開し、国際的に活躍。映画監督としても独自の映像美を創造。2012年9月に、歌舞伎女方として5人目となる重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定、また2013年にはフランス芸術文化章最高章「コマンドゥール」を受章、2019年は岩谷時子賞、高松宮殿下記念世界文化賞を受賞。更に芸術会員文化功労者、日本芸術院の会員にも選ばれた。
春野寿美礼
1991年宝塚歌劇団に入団。翌年1月、花組に配属。端正な容姿と三拍子揃った実力で将来を嘱望され、96年「ハウ・トゥー・サクシード」新人公演(第2部)で初主演。2002年花組男役トップスターに就任。本公演でのお披露目公演「エリザベート」では黄泉の帝王トート役を演じ、緩急自在な歌唱力が絶賛を浴びる。04年度芸術祭演劇部門新人賞を受賞。07年世界陸上の開会式で「君が代」を独唱。同年「アデュー・マルセイユ/ラブ・シンフォニー」で宝塚歌劇団を退団。
その後は女優、シンガーとしてライブ活動も精力的に行う。09年主演ミュージカル「マルグリット」では華麗な転身が大絶賛された。10年にはブロードウェイ・ミュージカル「ファニー・ガール」に主演、伝説の喜劇女優ファニーブライスを演じ好評を得る。12年東宝ミュージカル「エリザベート」ではエリザベート役にてタイトルロールを務めた。
水 夏希
元宝塚雪組男役トップスター。
1993年宝塚歌劇団入団。宝塚の代表作『ベルサイユのばら』では、オスカル、アンドレ等主要人物4役を演じ、2007年「エリザベート」トート役にて大劇場トップお披露目。宝塚初の天覧公演の主役も務め、2010年宝塚退団後は舞台を中心に活動中。主な出演舞台:『屋根の上のヴァイオリン弾き』、『TATTOO 14』、『新版 義経千本桜』、ブロードウェイミュージカル『シカゴ』宝塚OGバージョン、ミュージカル『アルジャーノンに花束を』、『パンク・シャンソン~エディット・ピアフの生涯~』、『ラストダンスーブエノスアイレスで。聖女と呼ばれた悪女 エビータの物語』、夢幻朗読劇『一月物語』、『坂東玉三郎 越路吹雪を歌う~愛の讃歌~』、ミュージカルコメディ『キス・ミー・ケイト』、『カクタス・フラワー』、『Gran Tango』、『細雪』、『カリソメノカタビラ~奇説デオン・ド・ボーモン』等。
紅 ゆずる
2002年に宝塚歌劇団に第88期生として入団。『プラハの春』で初舞台を踏み、その後星組に配属。08年『THE SCARLET PIMPERNEL』で入団7年目にして新人公演の主演に抜擢される。16年星組トップスターに就任。新人公演初主演作の『THE SCARLET PIMPERNEL』でパーシヴァル・ブレイクニー役を再び演じ、大劇場トップお披露目。その後大劇場公演『ベルリン、わが愛』『Bouquet de TAKARAZUKA』、『ANOTHER WORLD』『Killer Rouge』、『霧深きエルベのほとり』『ESTRELLAS〜星たち〜』に出演。19年10月、大劇場公演5作目となる『GOD OF STARS-食聖-』『Éclair Brillant(エクレールブリアン)』東京宝塚劇場千穐楽をもって退団。これまでの男役から女優として新たなスタートを切る。今後は映像や舞台など様々な作品に挑戦していく。今後の活動として、退団後初のソロコンサート、ディナーショー、舞台などへの出演が決まっている。
凪七瑠海 (宝塚歌劇団 専科)
宝塚歌劇団 専科 男役スター。2003年月組公演「花の宝塚風土記/シニョール・ドン・ファン」で初舞台、宙組に配属。09年月組公演『エリザベート』のエリザベート役に抜擢され、繊細な演技で瑞々しいエリザベート像を見せた。同年『カサブランカ』で新人公演初主演。10年『Je Chante』で実在の歌手シャルル・トレネ役で初主演。13年1月、月組に組替え。14年『THE KINGDOM』では美弥るりかと共にW主演。15年『1789-バスティーユの恋人たち-』、『オイディプス王』に出演。翌年、専科へ異動。17年『エリザベート TAKARAZUKA20周年スペシャル・ガラ・コンサート』にエリザベート役で外部出演18年『蘭陵王―美しすぎる武将―』に主演。蘭陵王を圧倒的表現力で演じる。今年は5月~9月、『壬生義士伝/Music Revolution!』に松本良順役で出演、12月15日まで「ロックオペラ モーツァルト」でアントニオ・サリエリ役を力強く演じた。