こんばんは。manaです。

見つけて読んでくださり、ありがとうございます。
 
以前から楽しみにしていたドラマが始まりました。
今回は、遅ばせながら『カルテット』第1話の好きなシーンを振り返りたいと思います。
暖かい部屋でバニラアイスでも食べながら、じっくりゆっくり観たくなるドラマでした。
 
非常に長くなりますので、ご興味のある方のみどうぞお付き合いください。
では、始まり始まり~カナヘイ花
※キャラクターのセリフは記憶を頼りに書いているので、一言一句正確ではありません。笑
 
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ある日、“偶然”出会った男女4人。
夢が叶わないまま、人生のピークにたどり着くことなく緩やかな下り坂の前で立ち止まっている者たちだ。

そんな4人がカルテットを組み、軽井沢で共同生活を送ることになる。

しかし、その“偶然”には、大きな秘密が隠されていた……。

 

TBS 火曜22時放送
キャスト:松たか子、満島ひかり、高橋一生、松田龍平...
脚本:坂元裕二(いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう、問題のあるレストラン、最高の離婚など)

演出:土井裕泰
原作:なし
 
<登場人物>

巻真紀(松たか子):第一ヴァイオリン奏者。プロ経験あり?の主婦。声が小さくネガティヴだが時折大胆。

別府司(松田龍平):第二ヴァイオリン奏者。世界的指揮者を祖父に持つ会社員。穏やか。4人の良心的存在。

世吹すずめ(満島ひかり):チェリスト。無職。二度寝命。人のもの食べちゃう。超絶自由人。

家森諭高(高橋一生):ヴィオラ奏者。美容院の万年アシスタント。モテるが理屈っぽく、めんどくさい男。

 

『最高の離婚』、『問題のあるレストラン』が大好きな私は、

今回のドラマが“男女2組・共同生活”ということでワクワクしていました。

 

冒頭は、すずめが路上でチェロを演奏していたとき、

謎の老女が声をかける所から始まります。

そして、とあるカラオケボックスでそれぞれ楽器を練習していたことで偶然出会う4人。

運命を感じ、4人で弦楽四重奏をやろうということになり、

そしてその練習のため司の祖父が所有する旧軽井沢の別荘に集まることになりました。

 

東京から軽井沢まで別府が運転する車で向かう真紀。

出発時は雨でしたが、軽井沢が近づくにつれて天気は晴れに変わります。

終始司は真紀に向かって話をするのですが、真紀は上の空のように見えます。

時折返事をするも声が小さく、聞き返してやっと内容がわかるほどです。

真紀がおとなしい女性で密かに何かを抱えている様子が予感できる描写に思えました。

 

別荘に向かう途中で、諭高を拾います。

諭高は道を聞いてきた初対面の女子大生に別れ際にキスができるような男。

高橋一生ファンの方はここで一旦死亡でしょうかカナヘイハート

でも軽いようで重い男っていうのは後々わかるのですが・・・笑

 

そして別荘に着き、4人が顔を合わせ夕食の時間となります。

そこで今話題になっている「唐揚げレモン論」が勃発するのです。

 
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緊張感が残りつつも穏やかに4人で食卓を囲み、乾杯をします。
真紀が取り皿を取りに行っている間、唐揚げに司とすずめが躊躇なくレモンを絞ります。
するとにこやかだった諭高の表情が一変!
 
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「レモンするってことはさ、不可逆なんだよ。二度と元には戻れない」と、
神経質代表・諭高は責めてきます。
「たかがレモンで・・・」という無神経代表・すずめに対し、
ネガティブ代表・真紀が「たかがレモンくらいで、というのは違う」と入ってきて、
怒らない代表・司はただただオロオロという、真紀&家守VSの攻防が展開します。
でも、真紀の「唐揚げを見てください。冷え始めています。」の一言でやっと食べ始めました。
 
このシーンめんどくさ・・・って思う人も中にはいるかもしれないけど、
私はこういうくだらないことを大まじめに論議するようなやりとりが本当に好きで面白くて、
坂元さんの脚本らしいなってツボに入ってしまって、ただただ笑いながら観てたのですが、
まさか、この唐揚げレモン論争が後々の重要な伏線になるなんて。
本当に一挙手一投足が見逃せないのです。
とりあえずここで4人それぞれ性格と特徴が視聴者に印象づけられたかと思いました。
 
ショッピングモールでの初演奏を終えた4人。
“カルテットドーナッツ”として本格的に活動したいと考え、
司のツテでライブレストラン“ノクターン”を訪ねます。
 
シェフ(サンドウィッチマン富澤←最近俳優業多い)は受け入れに前向きですが、
4人が希望している土日の枠は「余命9ヶ月のピアニスト・ベンジャミン瀧田」が譲らないと
目が笑ってない元・地下アイドルのホールスタッフ有朱(吉岡里帆)はぼやきます。
 
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真紀は東京でこのピアニストを観たことがあり、この余命○ヶ月が嘘であると気づきます。
この嘘を店側に暴露すれば、枠が空いて自分たちが演奏できるかもしれないと話しますが、
真紀以外の3人は乗り気ではありません。
しかし、真紀は独断でレストランのホール責任者・多可美(八木亜希子)に
ベンジャミン瀧田(イッセー尾形)の嘘を明かし、レストランでの演奏枠を奪い取ります。
 
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他の3人はこの事実を知って、司と諭高は「何もそこまでしなくても」と真紀に異を唱えます。
諭高は壁に躊躇無く画鋲がさせずテープでものを貼るような人間だから、
やりたい音楽を続けるために嘘くらいつくだろうと。
司はもう少し思いやりのあるやり方があったんじゃないかとモヤモヤしています。
それを同情なのかと返す真紀に諭高もそういう悪い意味ではないと返しますが、
そこにすずめも「同情するならお金払えば良いじゃないですか!」と入っていきます。
空気が読めないようで、すずめが一番真理を捉えているように思えます・・・・。
 
このシーンを観ながら私ならどうするか?と勝手に自問自答していました。
やりたいことをやるために他人を蹴落としてでもやるかどうか。
雑誌編集アシスタントの時代は他のアシスタントを出し抜いてでも、
コネを作り、上に取り入らなければ、大きな仕事は任せられませんでした。
ベンジャミンだって、他を寄せ付けないために嘘で自分のやりたいことを守っていた。
それを考えると真紀の行動は同じ事をしただけだから、私は否定できません。
実際に私はそれができなかったから。
 
だからこそ次の真紀の発言は胸に刺さりました。
自分たちをアリとキリギリスに例え、現在の4人の現実を突きます。
このドラマでのテーマでもあるかと思います。今後キリギリスがどうなっていくか。
 
私たち、好きなことで生きていける人にはなれなかったんです。
仕事にできなかった人は決めなきゃいけないと思うんです。
趣味にするのか、それでもまだ夢にするのか。
趣味にできたアリは幸せだけど、夢にしちゃったキリギリスは泥沼で、
ベンジャミンさんは、夢の沼に沈んだキリギリスだったから、嘘つくしかなかった。
そしたらこっちだって、奪い取るしかなかったんじゃないですか?
 
司はそれを聞いて自分の中途半端さを謝りますが、
すずめは真紀には帰る場所があり無理矢理他人の仕事を奪うことはないと反論します。
 
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それを聞いて真紀は以前食べた唐揚げが美味しかったねと話し始めます。
そこで夫との事実を打ち明けます。
唐揚げにレモンをかけるかどうかで、夫の本音を知ってしまったこと。
その本音を隠していたことが優しさとは思えず、夫婦ではなかったんだと許せなかったこと。
それに対し諭高も「たかがレモンで大げさな」と言いますが、
これは前半の論争での発言とは対照的な発言です。
でも私には真紀の気持ちわかります。「たかがレモン」ではないのです。
こういう些細なきっかけで夫との今までの夫婦生活全てが嘘なんじゃないか、
そう、真紀は思うようになってしまったのかもしれません。
 
司が「夫婦とは何か」という問いに対して、真紀は「夫婦って、別れられる家族」と答えました。
以前司が真紀を途中まで送った際に「結婚っていいですか?」と聞いた時、
トラックの雑音にかき消されて聞こえなかった言葉でした。
その時司は聞こえなかったからか適当に「いいですね」と返していましたが、
そんな楽天的なものではなく、真紀の本音は夫婦という関係に対する絶望でした。
だから司の答えに真紀はあんな顔をしたんだなとここで納得できる演出。
絶妙。
 
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さらに続けます。
人生には3つの坂があるという有名な言葉を口にします。
「上り坂、下り坂・・・・まさか。」
1年前に真紀がコンビニに行っている間に夫が失踪してしまったことを告白しました。
そしてその理由が夫が真紀を「愛しているが、好きではない」からと。
 
「そういうことなので、私もう帰るとこないんです」
 
ここで一緒に暮らしていきたいとカーテンを買ってきた真紀の目は、涙で充血していました。
カーテンを買ってくるという行動が主婦として今まで生活してきた感がにじみ出ていて、
より一層悲壮感が増しているように感じます。
 
ノクターンでのライブの日を迎えます。
控え室で真紀が、カラオケボックスでみんなに偶然出会えてよかったですと改めて言います。
真紀と、それを聞く他の3人のカットが明らかに「1対3」となっていて、
その偶然が偶然ではなかったことを予感させるカメラ構図だなと思いました。
でもその一方で、あえて「偶然に」出会えてよかったと口にする真紀も、
もしかしたらその偶然が仕組まれたものだと気づいているのでは?と勘ぐってしまいました。
まぁ、たぶん私の考えすぎだと思いますが。
 
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すずめのチェロから始まるスメタナの「モルダウ」に乗せて、
4人の出会いを回想していきます。
カラオケボックスに居合わせたのは偶然ではなかったことを視聴者に明らかにしました。
1話であっさりと見せたのでここから複雑に絡み合ってくれることを期待してしまいます。
 
もしかしたら司は誰かを、諭高は他の誰かを・・・と、
1対3ではなく、1対1対1対1(←読みにくい)のような相関関係なのかもしれません。
そんなことを勝手に推理させてくれるところが面白いと思います。
これぞ関係の見せ方のチラリズム。ミゾミゾするぜ・・・(ただ使いたいだけ)笑
 
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このカットの満島さん凄く好きです。お人形のようで、美しい。
全然関係無いのですが、小さい身体でチェロとかコントラバス持っている女性って、
それだけでかっこいいと感じてしまうのは私だけでしょうか。
(きっとのだめカンタービレの影響だ。笑)
 
翌朝、真紀は何かに思いを馳せ、ヴァイオリンを奏でながら涙を流していました。
それを見てしまったすずめに、真紀はバツが悪そうに風邪かなとごまかします。
ティッシュを探す真紀に、すずめは諭高が「紫式部をもっている」と言います。
なんだ?と思ったのですが、それは1箱1,600円の超高級ティッシュ。
当たり前のように諭高の部屋から持ってきて、まだ開いていない箱を開けてしまいます。
 
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すずめはジャイアンか。笑
もったいなくて使えなーい、羽衣みたーいと二人で遊んでいて、
なんだかとても楽しそう。混ざりたい。
 
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ちゃんとしまわないと。後で怒られますよ、と真紀が言うと、
すずめが怒られますかねーとのんきに返します。
すると真顔で「さかむけ、肘まで剥がされます」と、真紀。
うん、これは怖い。想像するだけで痛い。泣いてごめんなさいする。笑
よくこんなセリフ思い浮かぶな~と笑いながら観て思います。
 
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青空より曇り空が好きと言うすずめに同調する真紀。
二人の距離が縮まったかに見えてはいるけれど・・・。
 
以前どこでも寝るふりに見せて、テーブルの下に隠してつけていたICレコーダーを外し、
その録音内容を聞かせるのはすずめを雇った老女・巻鏡子(もたいまさこ)。
真紀の夫の母親で失踪している息子を殺したのは真紀ではないかと疑っているのです。
 
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「仲良いふりして最後に裏切ってくれればいい」
とすずめに真紀の身辺を探るよう依頼している様子。
 
どこか懐かしい三角パックのジュース?コーヒー牛乳?を飲みながら
何かを見据えるすずめの瞳からは、何を考えているのかまだわかりません。
 
そこでエンディングロールに切り替わるのですが、
もう!もう!もう!叫びたいくらいエンディング曲が良い!かっこいい!!
林檎さん独特な世界観とミステリアスなドラマの雰囲気がマッチしていて、
たまらない♡の一言に尽きます。
曲調は異なりますが『最高の離婚』で感じた高揚感を彷彿とさせますね。
 


セリフ、キャラクターの一挙手一投足に伏線につながるヒントがあるかと思うと、
全てが見逃せない・聞き逃せないシーンばかり。
集中して観るので、観終わった後の胸と脳にくる重量感半端ないです。
劇場で映画や演劇を観ているかのような、坂元さんワールド全開なので、
理解しづらい方や苦手な方もいるかもしれません。
 
でも私は待っていました。
笑顔かと思いきや時折見せる表情がとてつもなく恐ろしい、ような、
他のドラマとは比べものにならないくらい演技力も申し分ないキャストが織りなす、
胸がゾワゾワ、ミゾミゾするストーリーを。
 
これから恋愛が絡んでくるようですが、どんな感じになるのかなー。
また火曜日が楽しみになりましたカナヘイうさぎ
時間が許す限り、リアタイで観られるよう仕事頑張りたいと思います。
 
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思ったよりかなり長くなってしまいましたが、
最後までお読みいただきありがとうございます。
 
mana