バイオラ大学の【ピアノ指導法】のクラスでメソッド分析をするので、私もその度に見直します。

 

 

どのメソッドも個性が豊かで良さがありますが、見直すたびに自分の中で評価が上がるメソッドがあります。

 

 

最も最近のメソッドで、ヘレン・マーレイ氏の『Succeeding At The Piano (「ピアノで成功」)』です。

 

 

 

 

 

マーレイ先生ご自身からの言葉によると、メソッドを書いた動機は、「既にたくさんメソッドがありながら、テクニックに焦点を当てたメソッドがまだないと思い、自分がそれを補うメソッドを作りたいと思ったから」だそうです。

 

 

例えば・・・

 

 

『8つの丘』

(指の付け根の関節が見えるかな?)

つまり、良い手の形ができているかをチェックする。

 

 

 

『Cの形』

(1と2の指でCの形を作ろう!)

他のメソッドはアメリカ流で親指が寝ているのでCが前を向いていてしまいますが、このメソッドは唯一親指を斜めに立てるので、Cが下を向きます。

 

 

 

『ティシュー箱』

(ティシューの箱からティシューを取る時の様に腕を柔らかく動かして。)

 

 

 

『花を付けた女の子』

(復習、反復練習を促すマーク、ここでは「良い手の形で弾けたかな?」と言っています。)

 

 

 

リズムや音名の特別な練習するページはありませんが、「リズムを叩いて、音を読んで」という様な先生向けの記述があります。

 

 

音楽的にはシンプルで、クラシック寄りです。

 

 

あるメソッドはとても賑やかな楽しい伴奏がついていますが、日本のある先生が、「ここまで現代風で賑やかだと、ここからブルグミューラーに行くとつまらなく聞こえそう。」とおっしゃっていました。

 

 

なるほど!と思いました。

 

 

ご紹介まで。

 

 

 

2019年、マーレイ先生(中央)がバイオラ大学に来て特別講義をしてくださいました。

 

 

河村まなみ