前回の記事の後に、追記したい事が浮かびました。
(読みたい方はこちらをどうぞ。)
日本のメソッドで教える「良い手の形」
まず「良い手の形」はどこまで生徒達に教えるべきでしょうか?
ある人達は最初から「良い手の形」ができます。
が、ある人達はなかなか「良い手の形」ができません。
後者の人達は、生まれ持った骨格だったり、手の強さなど、どうしようもできない状態が原因なのかもしれないのに、できないことにとても悩んでしまい、そこから先に進めなかったり、やる気をなくしてしまうかもしれません。
それよりは、(手の形の訓練は続けながらも)その手で出る音、できる事に合う曲を見つけてあげたいと思います。
後者の人達は、アメリカ流の手の形の方が向いているかもしれません。
この形だと、レガートが弾きやすく、ゆっくりのアルペジオがきれいに弾けます。
私はアメリカ流を知らなかった時、ロマン派の曲が思った表現にならないので、自分の演奏を好きになれませんでした。
でもアメリカ流で弾けるようになった時、一気にロマン派が弾きたくなりました。
アメリカのメソッドで教える「良い手の形」
次に「悪い手の形」は本当に悪いのか?
私は、基礎としての「良い手の形」は必要だと思いますが、ある程度できたら、そこから離れても良いと思っています。
ある音色を得るために探した結果の手の形が「悪い形」だったとしても、欲しい音が出るなら良いのではないかと思います。
印象派やロマン派の曲を弾く時、私は「悪い形」になる事があります。
でも、耳で聞いていて思った通りの音なら、それがその場面での「良い形」だと思っています。
悪い手の形?