Music Teachers' Association of California(カリフォルニア州音楽指導者協会)オレンジ・コースト・シティーズ支部主催の「テーマ・フェスティバル」を審査させて頂きました。

 

 

 

 

 

最近は「コンクール」という名称より「フェスティバル」という名称が多く使われるようです。

 

 

「テーマ・フェスティバル」という事で、参加した子供達は『古典派〜ロマン派の性格的小品』というテーマに基づいて選曲し、演奏しました。

 

 

作品は、ブルグミューラー、メンデルスゾーン、ショパン、シューマンなどの良く知られた曲から、ステファン・ヘラー(Stephen Heller、ハンガリー)、ニルス・ゲージ(Niels Gade、デンマーク)、エドワード・マクダウェル (Edward MacDowell、アメリカ)、 エイミー・ビーチ(Amy Beach、アメリカ)なども見受けられました。

 

 

マクダウェルやビーチは1800年代後半から1900年代前半の作曲家ですが、米国ではロマン派の作曲家と認識されています。

 

 

コロナの影響のため、審査はYouTube動画で行われ、所定の用紙に講評をタイプし、点数を付けて、係の人に送り返しました。

 

 

係の人が3人の審査員からの点数を集計をして、賞を決定してくれます。

 

 

動画の審査は、実技試験や入試など、コロナによるロックダウン以来何度かしてきましたが、会場での審査に比べて、時間をかけて判断できる、丁寧に講評が書けるというのが利点です。

 

 

(時間をかけ過ぎてしまい、なかなか終われない…という面もありますが。)

 

 

複数回聞くと、最初は聞こえてこなかった細かいニュアンスや工夫が聞こえたり、1回目には目に入らなかった指使いやペダルが見えたり、疑問に思うところを何冊かの楽譜と照らし合わせて聞いたりできます。

 

 

その結果、繊細な演奏や、丁寧に研究した演奏がとても素敵に聞こえてきます。

 

 

また楽譜と違う表現やミスタッチなどは、会場で聞くよりも目に付き、耳に残ります。

 

 

このような条件の違いから、会場での審査では大柄な作りや目立つものがある演奏の方が有利かもしれませんが、動画では、少し遅めのテンポになっても丁寧な作りの演奏の方が点数が高くなるようです。

 

 

また、使用されたピアノや録画の状態に関わらずに判断しようとはしますが、どうしても聞こえる音から判断せざるを得ないので、これらはやはり影響する場合が多いと思います。

 

 

とは言え、私の言葉が一人一人の参加者の成長につながる事を願いつつ、全ての講評を書かせて頂きました。

 

 

 

河村まなみ