南カリフォルニア大学の【音楽で子供の脳構造が変わる】という調査結果を、日本語訳をつけてご紹介しています。
今日で6回目になりますが、こちらは前回の記事です。
今日は、こちらの動画の12:26〜14:58を訳します。主な話題は、この研究に使われた音楽トレーニング《エル・システマ》についてです。
Q:では具体的には子供達はどのようなトレーニングを受けのですか?
A:私達の研究で子供達が参加したプログラムは「エル・システマ」というベネズエラで開発されたメソッドです。
ロサンゼルス交響楽団の常任指揮者であるグスタボ・ドュダメルはこのメソッドで教育を受け、ロサンゼスルに来た後、このメソッドで市民に貢献したいと、ユース・オーケストラを始めました。
このプログラムは毎日放課後に2時間集まります。
楽器はすべて無償で貸し出され、トレーニングも無料です。
2時間の中には学校の宿題などの勉強のサポートもありますが、音楽のトレーニングはすべてグループで行われます。
初心者のレベルから訓練し、楽器は弦楽器のみで構成されます。
このメソッドで大事にしていることは、全員が一緒に学ぶことです。
なぜなら、このプログラムの目的は音楽家を育てるというよりは、音楽に価値を見出す市民を育てることにあるからです。
彼らが将来、医者、エンジニア、弁護士、映画製作者などになった時にも、このプログラムで築いた友達関係を続け、音楽との関りも持ち続けてほしいと思っています。
そのために、オーケストラとして一緒になって一つの良い音楽を作っていくのです。
Q:今でも参加者の子供達は、毎日2時間通っているのですか?時間通っているのですか?
A:はい、現在は週4日、そのうち3日は週末に集まっています。
パート練習をして、テクニック面などを練習してから、オーケストラの全体練習をします。
このプログラム全体はYOLA(Youth Orchestra Los Angeles)という名前で、当初は1カ所で集まっていましたが、現在4カ所で集まるまでに成長しています。
Q:参加した子供達の人数は?
A:音楽グループが25人、スポーツが25人、非トレーニングが25人です。
Q:6歳の子供に毎日2時間のトレーニングは多過ぎではないですか?
A:そうですね。でも子供達にとっては、トレーニングに行くというより友達に会いに行くという感覚で、その場所が一種のコミュニティーとして機能しているのです。
参加者は恵まれない危険な地域から来ているので、このYOLAの作り出しているコミュニティーは、彼らにとって安全で安心な場所になっています。
(次回に続きます)
解説です。
「エル・システマ」というプログラムについては、日本では映画になって紹介されたそうですね。この様な紹介動画もあります。
貧困地域に住む子供達に、無償の音楽トレーニング、主にオーケストラ活動を提供し、それを通して教育しようとする、ベネズエラ発祥の音楽トレーニングです。