Stewart Gordon (スチュワート・ゴードン)というピアノ指導者をご存知でしょうか?

 

アメリカ屈指のベートーベン研究家、ピアノ指導者で、私も心から尊敬する方です。

 

この先生の公開講座、「ベートーベン・ピアノ・ソナタの読み方」Youtube で見ることができます。

 

その一部を、これから数回にわたって訳してお届けしたいと思います。

 

 

 

「え?今からベートーベンですか?」

 

ですよね・・・

 

生誕250周年も終わろうとしているのに・・・

 

もし1年前からブログを書いていたら、ずっと前に取り上げていたのですが、半年ほど前に始めて、今までチャンスがありませんでした。

 

遅ればせながらですが、もし興味があればお読みください。

 

私はこの動画から多くを学び、「目からうろこ!」の連続でした。

 

その動画はこちらになりますが

 

下差し

 

 

まず今日は先生のご紹介から。

 

ゴードン先生は、ロサンゼルスにあるUSC(南カリフォルニア大学)の音楽学部で、教鞭を取っておられます。

 

先生の著書に

  • Etudes for Piano Teachers (ピアノ指導者のためのエチュード)
  • Planning Your Piano Success:A Blueprint for Aspiring Musicians (ピアニストとしての成功を計画する:音楽家を目指す人のための設計図)
  • Beethoven's 32 Piano Sonatas: A Handbook for Performers (ベートーベンの32のピアノ・ソナタ:演奏者のためのハンドブック)
  • The Well-Tempared Keyboard Teacher (良く調整されたピアノ指導者)
  • A History of Keyboard Literature for the Piano and its Forerunners (ピアノとそれ以前の鍵盤楽器音楽史)
  • Mastering the Art of Performance (演奏芸術をマスターする)

などがあります。

 

また「ベートーベン・ピアノ・ソナタ・アルフレッド・マスターワーク版、全4巻」の編集者でもあります。

 

日本でも入手できるようです。

 

Beethoven Piano Sonatas Alfred Masterwork Edition で調べてみてください。

 

 

 

この全集が出版された時に、ゴードン先生は、こんなお話をされていました。

 

「すでに世の中には無数のベートーベン・ピアノ・ソナタが出版されている。アルフレッド社から、『新しいベートーベン・ピアノ・ソナタ全集を出したいので、編集をしてほしい』と言われた時、『今更また新しい版を出版する必要があるのか?』と思った。しかし、熱烈なオファーを受けたので、他の版では読むことのできない、今までの自分の研究と経験の全てを出して、この全集を編集することにした。」

 

 

この全集は、各巻の冒頭10ページ近くに渡って・・・

  • その作品が書かれた当時のベートーベンの生活について
  • 当時使っていたピアノフォルテについて
  • アーティキュレーション
  • ダイナミクス
  • アクセント
  • 装飾音
  • テンポ
  • ペダル

等を解説して下さり、続いて

  • 各ソナタの解説
  • 個々の箇所の問題点
  • 解釈の仕方

などまで、行き届いた解説がなされています。

 

 

お人柄ですが、普通にお話ししている時は物腰柔らかく、紳士で、アメリカ人としては珍しいくらいシャイで、とてもこれらの大事業をされてきた人とは思えません。

 

でも一旦レッスンになると、先生の洞察力と知識の深さ、そして教え方の上手さに、いつも「参った!」となってしまいます。

 

バイオラ大学でも何度かマスタークラスをして下さり、私の生徒も、ベートーベン・ソナタやその他の曲をレッスンして頂きました。毎回、隅々まで気を付けて楽譜を読み、できる限り仕上げて臨みますが、いつも「ええ、そこ?」という見えなかった所を見せて下さったり、「そんな教え方があるの⁉」という発見をさせて下さいます。

 

今回ご紹介するYoutube動画からも、その一端がお伝えできるのではないかと思います。

 

また、先生の深くて熱いベートーベン愛に、皆さんも啓発されるのではないかと思います。

 

 

 

ピンク音符ブルー音符ピンク音符ブルー音符ピンク音符ブルー音符ピンク音符ブルー音符ピンク音符ブルー音符

 

 

すでに長くなってしまったので、今回はここまでにして、次回から動画の方に入ります。

 

ではお楽しみに!

 

 

 

河村まなみ