夕焼けの町

泥だらけの靴で 

汽車に手を振る子供たち 

飛行機雲に胸を踊らせては 

靴を鳴らし たどった帰り道 

 

山肌を樹々が飾り 

織りなしてる絣模様 

新道沿いに見渡すふるさとは 

いつも貧しいけれども温かい 

 

小さな希望をつめこんで 

人生 さまよい歩いてる 

口ずさんでた歌も忘れたけれど 

この場所には今でも愛がある 

 

朝露に濡れた草原 

夕辺には野焼きたなびく 

落穂を拾う年老いた人々 

すべて貧しいけれども美しい 

 

流れてゆく風の色が 

季節の度に変わって 

心が寒くなったときはいつでも 

はるか遠くの空を夢に見てる 

 

口ずさんでた歌も忘れたけれど 

この場所には今でも愛がある

村下孝蔵