雨の慕情 

心が忘れたあのひとも
膝が重さを覚えてる
長い月日の膝まくら
煙草プカリとふかしてた
 

憎い 恋しい 憎い 恋しい
めぐり めぐって 今は恋しい

雨々 降れ 降れ もっと降れ
私のいい人 連れてこい

雨々 降れ 降れ もっと降れ
私のいい人 連れてこい

 

ひとりで覚えた手料理を
なぜか味見がさせたくて
すきまだらけのテーブルを
皿でうずめている私

 

きらい 逢いたい きらい 逢いたい
くもり空なら いつも逢いたい

雨々 降れ 降れ もっと降れ
私のいい人 連れてこい

雨々 降れ 降れ もっと降れ
私のいい人 連れてこい

八代亜紀

 

 

 

 

 

 

 

 

   

    雨の夜に傘を持つ神秘的な女性 デジタル アート スタイル ...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
 
 
 
 
 

  雨の夜に傘を持つ神秘的な女性 デジタル アート スタイル ...

 

 

 

 

 

 

 

 

I had already known her death, but then my reaction was brusque.

Honestly, I did not like her that much. After that, I happened to listen to the song, "Ame No Bojo" through the radio, which was moving me so much, and as if it was telling me how narrow-minded I am. Secretly, I regretted and apologized. Life seems to be short, and also humans seem fleeting. 

 

now and then, then and now 

如月の プールの窓の 結露(つゆ)の筋 涙の如く 流れ落ちおり

久々の プールで見慣れた 名も知らぬ人 なぜか気まずい すれ違いざま

月明かり 降りそそぐ夜 白梅が うっすらと闇に 浮かびおり

散歩道 そこかしこ 白梅居りて 鼻近づけて 言葉掛けおり

何ヶ月 経ったのだろう 白い壁 叩きつけられた 蚊の骸(むくろ)はや  

自転車の サドルにかけし ビニール袋 春一番に もてあそばれて

散歩して 白梅愛でて 夕暮れて

散歩道 綱を引いたり 引かれたり         無頼庵人

 

郷愁や 思い出運ぶ 遠くかすかに 中央線の 通過する音

早朝の ひんやりとした 空気感 ワンコ元気に 飛び出してゆく

雨戸開け カーテンを開け 窓を開け 目線の先の 富士山と会う

手を合わせ 遺影の友に 声かける いつもの朝の ひとこまとなる

ワンコたち 友の遺影に 声かけし 水がえをする 朝のひととき   無頼庵人