やっぱり、一流メーカーのプロモーション座組み
は、うまいな・・・ from2流メーカーのマーケティング担当者
 一連のクラウド関連製品を締めくくるものとして、Hewlett-Packardが2月にエンタープライズ向けクラウド・コンピューティング・サービスの提供を始める。

 またHPは、同クラウド製品と互換性のある社内用コンピューティング・システムを発売し、組織のクラウド戦略開発を支援するワークショップを開催する予定だと、同社のソフトウェアおよびソリューションを統括する取締役副社長のビル・ベーテ(Bill Veghte)氏は述べた。

 HPエンタープライズ・ビジネス担当取締役副社長を務めるアン・リバーモア(Ann Livermore)氏は、「HPはエンタープライズ分野での経験と豊富な製品ポートフォリオ、さらには世界的なサービス配信組織を有しており、これらを利用して顧客のクラウドへの移行をリードすることができる」と、声明の中で語っている。

 「Enterprise Cloud Services-Compute」と呼ばれる同サービスは、オクラホマ州タルサと英国のウィンヤードにあるHPのデータセンターがクライアント組織にコンピューティング・サービスを提供するもの。顧客側のクラウド・プラットフォームは、「Windows Azure」でも仮想マシンをベースとしたプログラムでも任意に選ぶことができる。

 ベーテ氏は具体的な価格は公表せず、MIPS(million instructions per second:100万命令毎秒)の数に基づいて料金を決定するとだけ話した。契約の期間や利用するサービスの量なども加味されるそうだ。

 HPはサーバに関して、99.9%のアップタイプを保障している。同サービスも同様であり、想定外の停止が発生した場合でも仮想マシンが1時間以内に再稼働し、物理サーバは7時間以内に復旧する見通しだという。

 HPはこのサービスを開始するとともに、社内クラウドを構築するためのハードウェア、ソフトウェアおよびサービスの包括的なパッケージ「CloudService」もリリースする。CloudServiceシステムはEnterprise Cloud Services-Computeとの統合が簡単であり、ユーザーはワークロードを社内クラウドとHPクラウドの間でスイッチできるとベーテ氏は説明した。

 新製品群は、すでに発売されているHPのほかのクラウド・ソフトウェアおよびサービスにも対応している。また、HPのブレード・サーバを運用するためのコンフィギュレーション・セッティングである「HP Cloud Maps」と合致する。さらにはHPが発売したばかりの「Cloud Service Automation」ソフトウェアもサポートしているという。組織は同ソフトウェアを用いて、社内クラウド・システムおよびHPクラウド製品間でワークロードを往復させることが可能だ。

 HPがクラウド関連のエンタープライズ製品をリリースするのはこれが初めてではない。2010年8月に発売した「CloudStart」プログラムは、顧客がみずからの社内クラウドを立ち上げるためのソフトウェア、ハードウェアおよびコンサルティング・サービスが組み合わせられたものだった。HPはMicrosoftとも提携し、Azureベースのクラウド・アプライアンスを提供している。

 今回の発表は、HPが3月に開く記者会見に先だって行われた。3月の会見では、同社の最高経営責任者(CEO)であるレオ・アポテカー(Leo Apotheker)氏が新たな戦略を公にすると予想されている。企業戦略の焦点をエンタープライズ・ソフトウェアおよびクラウド・コンピューティングにシフトすることを明らかにするのではないかと、アナリストらは言う。

 Wall Street Journal紙は、リバーモア氏が副会長に就任し、取締役会に参加したのはこうした目的があるからであり、エンタープライズ・ソフトウェアおよびサービスが同社において果たす役割が今後大きくなることを反映している可能性があると報じた。

(Joab Jackson/IDG News Serviceニューヨーク支局)

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