NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は1月19日、企業向けの新たなネットワークサービス「Universal One」を発表した。既存の「Arcstar IP-VPN」や「e-VLAN」といったサービスを置き換えるという位置付けで、4月からサービスの受け付けを開始する予定だ。

 NTT Comはこれまで、IP-VPNや広域イーサネットなど通信レイヤや回線種別ごとに、複数のサービスを提供してきた。だがその結果、サービスメニューは多岐にわたり、アクセス回線やオプションなども含めると選択肢があまりに増え、ネットワーク設計が複雑化していたという。

 これに対しUniversal Oneはメニューをシンプルにしたことが特徴だ。通信品質に応じて「プレミアム」「ギャランティ」「バースト」「ベストエフォート」という4つのプランを選んだのち、レイヤと帯域を選択する仕組みだ。従来のサービスが、ユーザーの要望に応じて柔軟なカスタマイズが可能だが、その分注文が複雑になるカスタムメードだとすれば、Universal Oneはセミオーダーに例えることができるだろう。メニューや導入、サポートなどをシンプルにすることで、クラウド環境を容易に活用できるようにする。

 Universal Oneを利用すると、標準で「Universal Oneターミナル」という機器を導入することになる。Universal Oneターミナルはルータとしての機能に加え、有線/無線でのバックアップ機能を備えた機器で、NTT Comが疎通状態を監視する。これにより、データセンターと拠点の間をエンドツーエンドで監視し、障害などにプロアクティブに対処できるようにしていく。

 また、Universal Oneと同社のクラウドサービス「BizCity」を直結し、サポート窓口も一元化。個別に問い合わせる手間を省く。2011年9月以降には、国外のネットワークも含め、申し込みから請求、故障対応までをワンストップ化していく予定だ。

 従来、拠点ごとに異なるVPNサービスを導入していた場合は、そのVPN間を接続する必要があり、データセンター接続も別メニューだったほか、BizCityとの接続にはアプリケーションゲートウェイの導入が必要だった。だがUniversal Oneではそれらが不要になるため、コストを最大で約30%削減できるとNTT Comは説明している。

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