ナミビアの首都ウィントフックから北西に700キロのところに位置する街オプヲへ。
アンゴラにも程近い、この小さな田舎町はたどり着いた瞬間から驚きが沢山。もうそこら中にヒンバ族をはじめとする色んな民族が町中を闊歩していて、まるで別世界にきた気分になった。
普通の服着て町で生活しているナミビア人に混じって上に記載の様々な民族がスーパーマーケットで買い物していたり、道端でお土産物を売っていたり、はたまた井戸端会議していたりしていて、摩訶不思議な光景を醸し出していた。偏見かも知れないけれど、オプヲに来るまでこういう民族は町から離れた荒野やブッシュの中で生活しているとばかり思ってたので衝撃は大きかったです。
しかし、ヒンバ族の皆が皆、町に住んでいるなんてないはず。英語を解さない彼らの村に訪問させてもうため、オプヲの町でガイドになってくれる人を探したところ、母親がヒンバ族で11歳で学校に入るまでヒンバ族の村で育ったというおばさんがガイドになってくれることに。
そのおばちゃん曰く、ヒンバ族や他の多くの民族の村は実際人里離れたブッシュにあるのだけれど、物を売りに村から出て来ていたり、或いは病院への通院のため町の空き地にテントを張って生活している者が増えているのだとか。なるほど。そういう事なのね。
車に乗り込み、オプヲの町から15キロほど離れた荒野にあるガイドのおばちゃんの親戚が住む村へ。
村の長老であるおばちゃんの祖父母 お婆ちゃんは御歳92歳だそうです
ヒンバ族は一夫多妻制であるにも関わらず、結婚形式はかなりあやふや。子供が生まれても一緒に住むこともあればないこともありと、とてもザックバラン。
そしてヒンバ族内では女性の人口の割に男性の数が極端に少ないのだという。何故女の人の数が極端に多いのかおばちゃんに理由を訪ねても明確な答えは返って来なかったけれど、確かに集落で見かける人も町で見かけたヒンバ族もほとんどが女性でした。
ふーむ・・・ヒンバの七不思議だ。
村の中の説明を一通り受けたあと、ヒンバ族のお姉さんが部屋の中に招いてくれ、そこで彼女たちが普段する身だしなみの様子を見せてくれた。
まずはお香のようなモノに炭火を入れ、煙をたく。それを下の写真のように羊の皮で作ったマントで囲むようにして体にお香の匂いを染み込ますのだ。
ちゃんと股の下にまでお香を焚いてお香の匂いを全身にまとっていた
何故こんな事をするのかと言うと、ヒンバ族は生まれてから死ぬまで一生お風呂になど入らないため、体臭を消すためにお香を体に焚きつけるのだとか。な、なるほど。。
水が少ない砂漠に近い荒野で生き抜いてきた彼らの知恵と言うか、所変われば身だしなみの仕方もこんなに違うのかと思い知らされました。
それともう一つ、彼らは虫除けや強い日差しから肌を守るためにバターや動物の油と赤土を混ぜたものを体全体に塗っているため肌が赤褐色なのです。
この体に塗る塗料を私も上のお姉さんから顔に塗られた。。そのバターと土の匂いは正しくヒンバ族のものでした。。笑
ガイドのおばちゃんが言うにはヘレロ族もヒンバ族も元は同じ民族で今も同じ言語を喋るのだそう。ただドイツが19世紀にナミビアに侵攻してきた際、一部の人たちは当時のドイツの民族衣装を取り入れ、その人たちが今のヘレロ族の始まりなんだとか。
なのでヒンバは裸族、ヘレロは普通の人より厚着という、格好はまったく異なっているものの、未だに言葉は同じで集落も近くにあるため仲は至って良いのだそう。おばさん達同士は自分たちの村を行き来するのも普通のことなんだとか。
ふーむ・・・不思議だ。こちらも七不思議のひとつに入りそう。
でも仲良いことは素敵なことですね。私達も見習いたいものです。
ヒンバ族についてはまだまだ書く事がたくさんあるのだけれど、今回はここまで。
次はアンゴラから来ているバンドュ族の村からの報告です。