リシュケシュのバス停を朝7時前に出発。
ガンゴットリーまでは直通バスで行くと12時間以上はかかる上、かなり酷い山道で四六時中ガタガタだよと言われ、ちょうど中間地点にあるウッタラカッシーに一泊して行くように勧められたので二日がかりで向かう事に。
インドのローカルバスはかなりボロいのが多いのである程度は覚悟はしていたけれどウッタラカッシー行きのバスは今まで乗ったインドのバスの中でもダントツに近いぐらいのオンボロだった。座席も超狭いしサスペッションもガタが来ている上、走る山道がこれまたすごいのでウッタラカッシーに着くまでの7時間、でかい振動で何度か跳ね上がった拍子に頭を天井にぶつけてしまった。。
これ冗談ではなく本当にあった現象です。確実に30cmは腰が浮いてたと思う。
でも隣の席に座っていたインド人のおばさんがビックリするぐらい親切な人でそんな酷い道にもめげず道中の半分以上寝入ってしまってた私を振動で席からずり落ちたり、頭を天井や前の椅子に打ち付けぬよう私の肩や頭をしっかり抱いて支えていてくれた。
たまたま横に座った見知らぬ人にこんなに親切にされたのは旅出て初めてだったかも。
おばさん、本当にダンニャワード。
そうそう、その上一泊したウッタラカッシーでは安食堂のオヤジさんに「遠い日本からよく来たな」とタリー(インド定食)をご馳走された。遠い異国でこうやって親切にされると他人の優しさが本当に骨身にしみます。
でもまぁ良いことが続いたあとには悪いことが起こるもの。
翌朝のウッタラカッシーからガンゴットリー行きのバスは昨晩から続く大雨のため土着崩れが各所でおこり出発が2時間遅れる。 ようやく動き出しても至るところで足止めをくう羽目に。。
至るところで崖崩れのため足止め 道路真下にはガンガーが流れている
途中のドライブスルーでインスタントラーメンをランチがわりに食べる
道中には歩いてガンゴットリーへ向かう人たちも す、すごい・・
「道から転げ落ちたってガンガーの中に落ちるのだから心配ないさ~」と隣に座ってたオヤジに言われる。「そ、そうですね・・」と言いつつもヒンディー教徒ではない私としてはそこまで有り難がれない。
でも落ない限りは上から眺めるガンガーは大陸を流れる動脈のようでこれがバラナシはてはインド洋まで続いているのか、となんだか厳粛な気持ちにさせられた。
でも落ない限りは上から眺めるガンガーは大陸を流れる動脈のようでこれがバラナシはてはインド洋まで続いているのか、となんだか厳粛な気持ちにさせられた。
いやぁ~長かった。。ウッタラカッシーの宿のオヤジには4時間ちょいでで着くって聞いてたけれど、雨と崖崩れのせいで計8時間以上もかかってしまった。 我ながらよくこんま山奥まで来たなぁと感心したほど。
さてようやくたどり着いたガンゴットリー。ここはもうヒマラヤの裾であり標高も3,048mある為気温がぐっと下がる。久しぶりに冬服が活躍する場所に戻ってきた。朝晩の冷え込みは真夏といえどなかなかすごい。
しかし心配していた宿は2週間ほど前からオフシーズンに突入していたおかげで掃除の行き届いた綺麗なバス付きダブルルーにに100Rs(145円)で泊まれた。オーナー曰く7月中旬まではこの部屋も10倍の1,000Rsで泊まらせていたそう。いやーオフシーズン中で良かった。
翌早朝からさっそく周辺を散策。
ここガンガーの水は雪解け水なので誠に冷たい・・・でも皆さん沐浴中
ガンガーの実際の源流はここからまだ15キロほど徒歩で河を遡ったゴームクという場所にあるのだけど、そこは連日の土砂崩れのせいで現在政府の許可が降りない状態になっていた。トレッキング道具を一切持ってない私は初めから行く気はなかったのだけど、宿で会ったオーストラリア人3人はその封鎖が解けるまでここで待っているらしいのだが「2日目になるともうやる事ないんだよねぇ。。」と愚痴をこぼしていた。まぁ 小さな集落だものね。
そうそう、ここガンゴットリーは冬には雪で閉ざされてしまうためほとんどの住民は麓の村や集落に戻って行くのだという。そんな閉ざされた冬の間、ガンゴットリーの管理のため一人残って生活しているという警備員に会ってビックリ。
冬季はこの部屋で芋とドライフルーツばっか食べてるんだそう。頑張れ
私がいた2日間、夕方から朝方まで毎日豪雨が続き、宿も停電と断水でなかなかサバイバル的な生活を強いられたけれど、寝ても覚めてもガンガーの河の流れが響き渡るこの村にこれて本当に良かったと思う。何よりもここまで来る道中ずっとガンガーを眺めながら遡ってこれたのはとても贅沢な経験になった。
ここから始まり、生も死も多くの祈りも全て飲み込み遥遠い海洋まで押し流していくこの聖なるガンガーは人間の営みの小ささと自然の雄大さを教えてくれる存在なのかもしれない。