Chowronghee St. in Kolkata (Calcutta) 


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一昨日バングラデッシュから無事戻ってきました。現在はコルカタにて滞在中。
向こうではなかなか他の地では得がたい経験を沢山でき充実した旅ができました。
また後ほどアップしていきます。
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ラージギルから乗り合いバスでガヤーまで戻り、ガヤ駅で待つこと12時間。何時間も遅れてやって来た夜行列車に乗り込み一路ベンガル湾を臨む東部最大都市コルカタへ。
ここはベンガル民族が昔から多数暮らしている地域だけあって、今まで周った北インドと違い、ヒンデュー語よりベンガル語を母国語として話す人が多い。


鉄道のレール横にはバザールが広がっていた

そんな街で私がした最大の事はと言うと隣国バングラデッシュのビザを領事館に取りに行ったこと。

中東を周っているとき会った旅行者がバングラデッシュの国民性の面白さを熱弁していて、私も機会があれば行って見たいなぁと常々思っていた。そんな折、領事館でビザ申請すれば無料で、しかもたった一日でビザが下りると知ってこれは行かねば!と思い立ったのです。

早速、領事館へ出向き、窓口に並ぶインド人と押し蔵饅頭しながら申請書を提出し、その日の午後にはバングラデッシュ大使から簡単な面接を受ける。大使はすごく鈍った英語で「我が国は日本にとても世話になってる。よく見て、楽しんできておくれぃ!」と歓迎してくれた。その上「オレの故郷はいいぞ!」と彼の出身地のお薦めの場所を教えてくれたりして、大使というより観光局のおじさん的にフレンドリーでした。

そこで一緒に面接を受けたポーランド人のジャックはバングラデッシュ行きが今回3度目と言う物好きで、彼からはバングラデッシュ行きのバスや列車の情報を教えてもらった。
うそう、ビザは日本人に対しては無料で発給されるけれど、ポーランド人は850ルピー(約1,300円)、アメリカ人は150ドル(12,000円)とかかる料金は国によってそれぞれ違うとのこと。バングラデッシュへの入国ビザが無料なのは極めて稀なケースらしく、ホント日本人でよかったです。まぁその分、政府が援助を沢山しているんだろうけど。

コルカタは3泊しただけでほぼバングラデッシュへ行く準備だけで終わる所だったけれど、領事館で会ったジャックが無料でインド舞踊が見れる所があるんだよ!と教えてくれ、その晩一緒に出かけることに。

向かった先は医科大学病院でその中の講堂で医大生へのメダル授与式が行われていて、その式の後にプロによるダンスショーが行われる行程になっていたのだけど、インドのセレモニーってホントこの国の文化を表しているというか、まったくもって適当。
日本人から見たら無礼講にも近いほど皆好き勝手に壇上でメダル授与している教授や学長、医大生に向かって話しかけるは、いきなり隣に座ってた誰かの親族と思われるおばあちゃんがマイク持ってスピーチ始めたりと、ざっくばらん。まぁそんな自由な雰囲気のお陰でまったくの部外者である私が
VIP席に座ってダンスが始まるのを待ってても誰も何も言わない有難さはあったけど。
しかし日本の形式ばって堅苦しい式に比べたら気楽そうで良いなと思う反面、かなりの権威であるはずの医科大学での授与式がこんな感じなんだから他の所で行われている式とか進行不能に陥ること多々なんじゃないだろうか?と心配にもなる。
いや、きっとそんなフランクさがインドの良さでありまたこの国の真骨頂なんだろうけど。

ぁそんな事はさておき、インド舞踊。こちらは見に来て本当に良かったぁと思える完成度の高さで、これを無料で見せてくれた医科大学と連れて来てくれたジャックには感謝でした。


インド舞踊ってこういうアクロバティックなポーズ多いです ヨガの影響?


日本や西洋と違ってダンサーがぽっちゃりなのはインドならでは

帰りはコルカタ市内を走る路面電車で帰ることに。トラムと呼ばれるこの電車は近年の激しい交通渋滞から市内の花形交通機関の座を地下鉄に奪われ、現在は路線も収縮傾向になっているらしい。でも車窓から見えるコルカタ市内の繁華街の賑やかさはメトロにはない魅力があって、無くなるのは惜しいと思うほど乗ってて楽しかったです。


昼間と違って空いてて乗り心地も良かったです


左に写ってるのは車掌さん 運賃は4ルピー(6円ほど)

コルカタを語るので忘れてはいけないものの一つにマザー・テレサの家がある。そこでは今は亡きマザー・テレサの意思を受け継いだシスター達が多くのボランティアと共に孤児や病人、死を待つ老人達のお世話をしていて、ヒンデュー教やイスラム教徒が多くを占めるインドにあって、クリスチャニティーの存在を感じさせる場所。



施設内の資料室にはマザー・テレサの半生をかけた慈善事業の数々が写真と共に掲載されていて、写真から伝わる半世紀以上前のインドの貧困層の想像を絶する飢えと病の様子に喉の奥がヒリヒリするほどの衝撃を受けた。未だに救いがたいほど貧しい人たちがまだ多い現在のインドではあっても、半世紀前の写真を見た後では、彼女の葛藤と努力、そしてもちろんこの国の経済発展により飛躍的に改善されてきているのだと知った。

この施設周辺にはカトリック系の学校も多いらしくスカートをはいた制服姿の女の子たちをよく見かけた。膝が見える丈のスカートをはいて颯爽と街を歩いている姿は、保守的なヒンデュー教やイスラム教では考えられない格好でインドの他の街では見かけたこともなかった光景だったので思わず立ち止まって見入ってしまった。

まったく関係ないことかもしれないけれど、そのスカート姿はマザー・テレサの半生をかけた努力と多様な文化を受け入れるコルカタの土壌が相まってより一層この地を柔軟性に富んだ街にしていると感じさせられた光景でした。

さぁ、次はいよいよバングラデッシュです!