Niagara Falls in Canada


ナイアガラ・フォールズ。前に2度ほど訪れた事があるこの地にまたやって来たのはなにも観光するためではない。人生初となるフルマラソンをナイアガラフォールズ国際マラソンレースで走るため。
旅行中に少しはジョギングの練習をする予定だったのだけど・・・NYC、ワシントンDCともにやる事が沢山あって結局ぶっつけ本番となった。我ながら今考えても クレイジー としか言えない荒行をよくやったものだと思う。。

さて、ワシントンDCから夜行バスでNY州北部の街バッファローまでやってきて、そこで市バスに乗り換えアメリカ側ナイアガラフォールズ市まで約10時間のバス旅。そこから歩いてアメリカ・カナダの国境の橋レインボーブリッジを渡り、晴れてカナダへ入国。

レインボーブリッジ   アメリカ出国後カナダへ向けて早朝雨混じりの中を歩く


レインボーブリッジから見たナイアガラフォールズ  さ、寒そう・・・


さすがカナダと言うべきか着いたこの朝(10/21)の気温は5度。。予想以上に天候に恵まれ暖かかったNYCやワシントンDCから来るといきなり真冬に突入してしまった感じ。


昼過ぎに大学時代の友達とナイアガラフォールズをフェリーに乗って間近で見れるあの霧の乙女号前で待ち合わせ。久しぶりの再会を喜んだ後、霧の乙女号に一緒に乗りこむ。


間近で見る滝の迫力はさすが!


写真では解りにくいけどビックリするほど大量のカモメが飛んでました


滝からの水しぶきが酷くて乗船後は嵐に遭ったようにびしょ濡れに。。


そもそもその友達(現在家族と共に米国在住)に今回のマラソンに誘われ私は参加を安受けしてしまったという経緯があり、彼女は私以上に私がトレーニング無しでマラソンに挑む事を心配していた。彼女は今回がマラソン11回目という猛者なので今更既に遅しの感はあるもののマラソンの心得などを色々と聞く。


友達と行ったマラソン大会の親睦会立食パーティー


上記の立食パーティーで友達にマラソン前は出来る限り沢山の炭水化物を取るように勧められるもパンなんかより目の前のローストビーフに私は飛びついてしまい、この会場の誰よりもお代わりをしてしまった。片や友達はしっかりパンを3,4つ食べていた。その姿勢が当日いかに大きく響くかこの時は知る由もなかったけど。。


前日のフレンドシップランにて他のランナーと  中には凄い仮装の方も!


私以外の日本人ランナーの皆さんは何度もマラソン経験があり、日々トレーニングをきちんとされてる人たちばかりで、今回初めてのマラソン挑戦を練習無しで挑む私の無謀さに驚きと動揺が起こり、その反応に漸く私も明日は大変な事になりそうだな・・・と考え始める。しかもフレンドシップランで参加者たちと軽く4キロ近くジョギングしただけで私の足は既に筋肉痛に陥っており、もう前途多難そうなのがありあり過ぎて私は皆の心配をよそに緊張するより開き直ってしまった。


その後みなでエクスポ会場に向かい、明日のレースにむけアメリカ入国審査を前もって受け、ゼッケンや大会記念品などを渡してもらった。


左は米国入国審査を行っているところ


前にも書いたけれど、このマラソンは世界で唯一国境を跨ぐレースでスタート地点はNY集バッファローでゴールはカナダ側ナイアガラフォールズ滝前となっている。


こちらがコースの全貌  42.195Km・・長い。。


当日翌朝、7時前に大会が用意したスクールバスでナイアガラフォールズを発ち、一路NYバッファローへ。カナダの出国手続きなどはなかったけれど、アメリカ入国審査はしっかりバスの中でされました。。さすがテロ警戒度が高いアメリカ。


バス一台の入国審査所要1時間  国境越えのマラソンもなかなか大変です


スタート地点前の待合会場では日本からツアーで今回のナイアガラフォールズマラソンに来られている人たちも沢山いて、久しぶりにこんなに多くの日本人が一斉に集まっているところをみて、ひとり おお!と盛り上がっていた。そんな私に友達がジェル(滑りやすくするクリーム)を手渡し、体に塗りまくるように忠告。42キロ以上走り続けていると肌がTシャツや靴下との摩擦で擦れて出血してしまう事が多々あるそう。。そう考えるとマラソンて非日常的というか・・・過酷なスポーツですよね。ホント今更だけれど。。


仮装ランナー(お猿と寿司レンジャー)もツアーの方たちと一緒にストレッチ中


さぁ、いよいよ初のフルマラソン。スタート地点に発つ前に友達やこの大会で知り合った日本人ランナーから10キロ通過するごとに取るといいからとエネルギー補給のジェリーをいただく。つくづく準備の足りないビギナーランナーである私は皆の助けを得て(そして皆の心配を背負い・・)走り出す事に。


よーい ドン!! この日は一転晴れて晴天に!


先頭集団の遥か後ろをマイペースに走る私


アメリカ・カナダの国境をパスポート無しで走り越えていく


この上なく天気に恵まれ皆好調に走っていく中、2年近くもジョギングなどしていない私の足は5キロ過ぎる頃から前日より酷い筋肉痛に襲わていた。旅に出て以来毎日かなり歩いているといってもやはり『走る』と『歩く』では使う筋肉が全然違うのだなぁ・・と実感。いや体感しながら走り続ける事に。


五大湖の一つであるトロント湖へと注ぐ河を横目に見つつ走る 走る


ハーフポイントを越える頃にはかなりヘロヘロでこの地点で4つももらっていたエネルギージェリーも既に食べ果たしていた。その上、35キロ地点の給水ポイントに水がなくなっていて(気温が上がって皆が予想以上に飲んでった為)、筋肉痛の上に喉の渇きが重なって気持ちがポッキリ折れた私はそこから歩いてゴールに向かった。まさに「No Water No Run」でした。


仮装ランナーの寿司レンジャーがゴールした遥か後ろを・・・


最後2キロ地点でやっとこさ水が飲め、息を吹き返した後は何とか走り出す事ができたけれど、この時は足が生まれたての小鹿のごとくプルプルして立ち止まってる方が大変というよく解らない状態になっていた。。


ナイアガラフォールの景色など楽しむ余裕もないなか何とかゴール!!


所要時間6時間17分50秒。こんなに長時間走り続けたとことって(まぁ途中歩いたけれど)人生で初めてでした・・・当たり前だけど。


記念メダルと共に   右は日本食屋での打ち上げ


他のランナーの人にもマラソンを走りきったことより、6時間以上も諦めずレースをやりきった事を褒められ、「次の大会こそは4時間台だそうね!」とまた誘われる。

このまま終わるのは悔しい気もするから今度はちゃんと練習してもう一度挑みたいような・・・いや、もうこれっきりにしておきたいような・・・なんだか複雑な心境と言うのが正直なところ。


何はともあれ初マラソンが無事終わってくれて心からほっとしている、今日この頃です。


最後はナイアガラのライトアップを見て打ち上げを〆る


その後2日間は歩くのも辛いほどの筋肉痛が続いたのは言うまでもない。

マラソン舐めたら痛い目にあいますよ。。