海こえ山こえ国こえて♪
SAN CRISTOBAL DEL LAS CASAS

サン・クリストバル・デル・ラス・カサス。
この長ーい名前の街(通称サンクリ)は今だ多くの先住民が暮らす街で物価もメキシコの中では随一に安い。しかもここは高地のため年中涼しい気候に恵まれている。ベリーズに入って以降、猛暑の中を旅してきたので久しぶりに涼しい場所でゆっくり出来そうだとかなり浮かれてサンクリ入りした。

この街にはヒッピーぽい不思議な日本人宿があると聞いていたので行ってみると、丁度この宿の次期管理人さんのお子さんが2歳の誕生日を迎えるという事で誕生日会に招待してくれる事に!

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巻寿司&茶碗蒸しのご馳走が!  レン君誕生日おめでとう


次の日は同宿の子達と共にサンクリ郊外にあるサンフアン・チャムラへ日曜市を見に出かけた。このツォツィル系先住民が多く住む村は写真を取られる事に過敏で無断で撮ってるとカメラを没収される事もあると管理人さんから聞いていたので写真は無理かなぁと思っていたのだけど、駄目もとで聞いてみると意外にも気軽にOKしてくれ、みんなで撮影会となった。

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村の役員さんと替わり番こに記念撮影

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もう直ぐある祭りの予行練習中 どうりで正装してた訳だ

あとここではインディヘナ達の土着信仰とキリスト教が融合した独特の信仰の場である教会も訪ねた。教会内は松の葉っぱが敷き詰められ、至る所でインディヘナたちが床にロウソクを立てチャムラ語でお祈りをしていて、一種独特な雰囲気を漂っていた。今まで巡ったキリスト系教会の中でも指折りに個性的で宗教の多様性を考えさせられた場所となった。

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室内の撮影は禁止のため外から 緑色がアクセント


サンクリ郊外にはもうひとつ是非行っておきたい場所があった。そこはサパティスタ人民解放軍の本拠地。サパティスタはチアパス州に住む主に農民系の貧しいインディヘナ達による左翼ゲリラ組織で先住民に対する差別の解消、農民の生活向上を訴え、1994年に武装発起したのだけど、当時はメキシコ軍に空爆され150人もの犠牲者が出たらしい。その後、武装路線を止め対話路線に転換し、政府との交渉を続けていて、その姿勢が功を奏してサパティスタ支持者もメキシコ国内外に増えているとのこと。
私自身、南米中米を周っている間、先住民と白人系住民(とその混血)との生活レベルの格差をありありと見てきたため、彼らインディヘナによる生活改善への政治活動を一目見てみたかったのだ。

まず入口はいって直ぐの事務所で目だし帽をかぶったおじさん達にパスポートチェックを受け、その後敷地内を案内される。もちろん人物の写真撮影は硬く禁じられているけど(みな一応目だし帽ないし覆面で目以外隠してる)、建物などの撮影はわりとどこでもOKだった。

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建物はほぼ全て先住民を題材としたペインティングがされていた


この際色んな事を聞いてみたかったのだけど、如何せん私の拙いスペイン語では難しい質問など出来もせず、敷地内を見て終わったてしまったのは真に残念だった。。でも思っていた以上にサパティスタの人たちはおじさんおばさんもシャイで親切な人が多く、ゲリラ組織との名前からは想像できないほどの穏やかさを漂わせていた。武装発起した頃の物々しさは今は昔、という事なんでしょう。
下はその敷地内にあったお土産屋さん兼レストランに張り出されていた発足当時のサパティスタの写真。

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女の人たちも前線に立って活動してたようです 強そう

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武装発起時の様子

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今サパティスタ内で働いているおばさん達も写真とほぼ同じ格好です

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サッカー大会も覆面で出場 これはウケてしまった

いつの日かインディヘナ達の差別・貧困問題が解消される事を祈って寄付の変わりに敷地内で売られていたサパティスタお土産を購入。少しでも足しになれば良いのだけど。

サンクリ市内ではほとんど観光せず近くの山へ登りに行ったり、超庶民的なメルカド(市場)で買い物して自炊するのを楽しんでいた。のだけど・・3日目以降は豪雨が降り続き気温もぐっと下がり、そのダブルパンチによる湿気で洗濯物が2日たっても乾かないという状況に嫌気が差してきて4泊しただけで次の街へ移動する事に。

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インディヘナのおばちゃん達にまぎれメルカドでお買い物

海こえ山こえ国こえて♪
豪雨のため宿近くの川が氾濫しそうに・・

次はオアハカに向かいます。