海こえ山こえ国こえて♪
CHICLAYO

山間部のカハマルカからペルー北部の海岸部の町、チクライヨへ。ここもまた古代南米文明の遺跡が残る町でもちろんそれを見学に立ち寄ったのだけど、前回のクンチュル・ワシ遺跡のようにはるばるコレクティーボを乗りついで自力で見に行くことはせず、比較的ツアー無しでも行きやすい博物館だけを回って終わった。

これらの博物館は他の博物館と違い、王様のお墓の状態を模型で再現していて、なかなかその辺りが見所があった。
まず最初に行ったシカン博物館に展示されていたシカン王の墓の模型は以下の通り。

海こえ山こえ国こえて♪
下向きに浮いているのが王様

このお面を被され、逆さに埋められているのが(実際は周辺土で覆われている)シカン王国の王様で、この一風変わった埋葬のしかたには意味がある。これは下の写真を見れば解りやすいのだけど、この王の姿勢は出産される胎児の姿勢で死後に生まれ変わり出来るようにと考慮されて埋葬されたものと云われている。

海こえ山こえ国こえて♪
手前の横たわってる人が母親代わりで奥の人が産婆さん代理

しかし、本当の母親でもなければ(たぶん)産婆でもないのに王の死後、一緒に墓に生き埋めにされたこの女性たちも災難だっただろうな。。ここだけではなく古代シナ文明の歴代皇帝や、他国の王様たちだって大昔は自分が死ぬとき大量の人間を死後の世界か、または生き返ったあとに使えさせるために自分の墓に生き埋めにしたりしたのは事実なので、ある意味古代の世界共通の仕来りだったのだろうけど・・・一緒に埋められるほうとするとたまったものではなかっただろう。。まぁ今の文明の尺度から一概に残酷だとか非人道的とかはもちろん言えるものではないのだけど。

でもこのシカン遺跡から出てきた王様が被っていた仮面や杯にはなんともかわいい文様が刻まれていて、見る目を楽しませてくれた。

海こえ山こえ国こえて♪海こえ山こえ国こえて♪
赤鬼のようなお面とたらこ唇の人文様の杯


ペルーに残る色々な文化や王国の遺跡を見て周った後につくづく感じることは、スペイン人征服後、南米に根付いてしまったキリスト教文明よりも南米の自然の息吹が感じれるこれらプレ・インカ時代の独自の文化や宗教観のほうかはるかにこの大地い似合っているな、って事でした。

海こえ山こえ国こえて♪