マネジメントレビューのインプットとは? | 京都で働くコンサルタントのブログ
2013-09-15 20:00:06

マネジメントレビューのインプットとは?

テーマ:マネジメントシステム
皆さん、こんにちは。
(株)マネジメント総研の小山です。

ISO 9001(品質)、14001(環境)、27001(情報セキュリティ)などのマネジメントシステムの規格には、「マネジメントレビュー」についての要求事項があります。

今回は、そのマネジメントレビューのインプットについてお話します。


「ISO 9001(品質)」を例に挙げると、

トップマネジメントは、組織の品質マネジメントシステムが、引き続き、適切、妥当かつ有効であることを確実にするために、あらかじめ定められた間隔で品質マネジメントシステムをレビューしなければならない。

とあり、そのインプットには、次の情報を含めることが要求されています。

a) 監査の結果
b) 顧客からのフィードバック
c) プロセスの成果を含む実施状況及び製品の適合性
d) 予防処置及び是正処置
e) 前回までのマネジメントレビューの結果に対するフォローアップ
f) 品質マネジメントシステムに影響を及ぼす可能性のある変更
g) 改善のための提案



これは、「ISO 14001(環境)」や「ISO 27001(情報セキュリティ)」においても、ほぼ同様の要求事項となっています。


ISOの仕組みが形骸化してしまっている組織の共通点として、このインプット情報が表面的になっていることが挙げられます。

逆に、このインプット情報がしっかりと揉まれた内容になっている組織の多くがISOを有効に活用していると言えます。


インプット情報の「a) 監査の結果」を例に説明すると、

前者の組織では、内部監査をいつ実施をして、何件不適合が出たか、というような内容が報告されています。

一方、後者の組織では、内部監査の不適合にはどういう傾向があり、対策として何をとるべきか、次回の監査で何をポイントに実施すべきかなどを分析し提案の形に落とし込んだ内容などが報告されます。


「a) 監査の結果」という言葉だけを見れば、前者の内容で問題ないように思われますが、冒頭の「組織の品質マネジメントシステムが、引き続き、適切、妥当かつ有効であることを確実にするために」という目的を踏まえて考えると、前者では不十分であり、後者のようなインプット情報がふさわしいことがわかると思います。

また前者は、ただ単に不十分であるだけでなく、その資料準備の手間、マネジメントレビューに関与する方々の時間などを要している割に、効果が見込めない、という状況に陥ってしまいます。


マネジメントレビューに関与される方は、ぜひ、後者のように、項目に対する実績を分析し改善の方向性を整理した情報をインプットするよう、意識してみてください。

また、マネジメントレビューに係らず、普段においても、「○○の結果そのもの」ではなく「○○の結果から言えること」というように踏み込んで情報をみるよう心掛けることで、これから何をすべきかが見えてきやすくなるのでオススメです。