占星術では月、水星、金星、太陽、火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星までの10個の天体を用います。天体は個人の主体を表し、その全てを合わせて「1人の人間」としてみます。
テレビや雑誌などの占いで取り上げている「星座」は、太陽星座を指しているので、その人の性格の一部分のみを表していることになり、そういうことから、ふに落ちることもあれば、そうかなぁと思うことも出てきてしまいます。それはあくまでその人の一部分にすぎません。



今日はその10個の天体のうち、「月」について少し書きたいと思います。
ずいぶん前から月星座はメジャーになってきていて、月星座に特化した本などもたくさん見かけるようになりました。もちろん10天体全てが重要で、どれかに固執すると見誤ってしまうけれど、月の持つ意味やエネルギーに触れると、月が私たちにとっていかに大事な天体かを知ることができます。



月は人格の基礎、感情、インナーチャイルドなどを表します。10天体のうち一番次元の低いもので、一番身近な天体でもあります。
占星術の各天体には「発達年齢域」という考え方があって、月は0〜7歳までに発達すると考えられています。この頃に生活の基本的行動パターンが記憶され、自動的な反応として表れます。そして、そうやって「癖」として身についたものに対し、本人は大抵無自覚です。



最近蟹座の月の方の相談を受ける機会が多く、それは今の星回りも影響しているように感じました。現在空の天体は木星、土星、冥王星の3天体が山羊座に位置しています。山羊座は蟹座にとって180度向かい側のサインにあたり、刺激してくる位置関係。しかもパーソナルな天体(月)に対して、ソーシャル天体(木星、土星)と、トランスサタニアン(のうち最も遠くて影響の大きい)天体が容赦なく刺激する…。感情が揺れやすい人が多かったんじゃないかと思います。出生図の月がもともとハードなアスペクトを組んでいたりするとさらに激しい揺さぶりを感じているんじゃないかと想像します。



各サインにはルーラー(支配星)があって、月は蟹座のルーラーにあたります。蟹座に位置すると月の力は強まり、そのため感情の働きが細やかになって、少しのことに敏感に反応してしまいます。蟹座は活動宮で水サインになるので、活発に動く水(感情)。感情が溜まると一気に溢れて、特に身近な人に対しては無防備にその癖が出るように感じます。蟹座は本来、母性、愛情深いという性質があるので、エネルギーが良い方向に向かうとその特徴が顕著に表れます。



月はエーテル体に相当し、生命の樹ではイエソドの位置にあたります。物質である体のすぐ外側にあるエーテル体と、生命の樹の根っこの部分にあたるイエソド。そこから残りの天体に向かって繋がっていきます。
基礎である「月」が揺れると全部が崩れてしまいます。「感情」が揺れると現実がうまくいかなくなっていきます。



まず月を知ること。
そこから個性を育てて(水星、金星)、目的意識を持って(太陽)社会に出て行くことになります。
月がどのサインのどこのハウスにあって、他の天体とはどういう関係性になっているか。それを見ていくことで、無意識だった自分自身の癖や傾向を知ることができます。それを知るだけでも心構えが変わってきます。
無自覚だと天体に振り回されてしまうけれど、知って、意識することで天体を活用できるようになり、人生を自分で創造していくことができます。



占星術は生きるヒントがたくさん詰まったツールです。私も、自分の言葉で分かりやすく伝えられるよう日々実践中。
これからも少しずつブログでUPしていきたいと思います。