4年に一度の祭典、楽しかったW杯が終わってしまいました...。
これからどうしよう、と思うほどの喪失感(笑)。W杯ロスの波が押し寄せて来ています。

けれど、今回は日本vsベルギー戦後の喪失感の方が大きかったかもしれません。日本代表をこれほど応援して、好きになった大会はなかったかもしれません。今大会の日本の試合は、全てにおいて心に残る、何度でも語り合うことができる、そんな内容のものでした。

特にみんなの心に刻まれたであろうベルギー戦。魅力的な攻撃と、最後までひたむきに攻め続けたその姿勢に感動しました。最後の最後に一瞬の隙を突かれ、カウンターを受けての敗戦。
この戦いぶりに、
「日本は素晴らしい!よくやった!」
「今大会のベストマッチだ!」
という賞賛の声が多く聞かれました。
負けたけれど、誇らしい、と。

この試合を観て、私はサッカーライターの清水英斗さんの著書に出てくる言葉を思い出しました。
「日本のサッカーはイノセントだ。」
 
ー 『サッカー日本代表をディープに観戦する25のキーワード』より

これはザックジャパンの頃、コンフェデ杯のイタリア戦での素晴らしいサッカーを受けての言葉です。
この時日本は魅力的なパスワークと攻撃で2点先行するも、イタリアに追いつかれ、最終3-4というスコアで敗戦しています。ただ、この時もやはり多く聞かれた言葉は、
「まるでバルセロナのようだ!」

「日本は素晴らしい試合をしたよ。これはアンフェアな結果だ。気にすることはない。」

というものでした。

今回のベルギー戦の時と状況は似ていると感じます。

「イノセントサッカー」とは、あるブラジル人タクシードライバーが言った言葉です。
日本のサッカーをとても的確に表現した言葉だと清水さんは言います。
「イノセント」とは、「汚れのない、無邪気な、お人好しな」という意味合いです。

2点先行した時点で、他の強豪国であれば、ゴールに積極的に向かうパスワークからボールを保持するパスワークに変更したりと、サッカーファンからは退屈なものに映るかもしれない戦術に移行します。相手にリズムを渡しかけた時には、ファールや小競り合いを増やし、相手の勢いを削ぐ、強豪と呼ばれるチームはそういった「大人のサッカー」をします。ブーイングも意に介しません。
今回ポーランド戦の最後のパス回しが、そういった「大人のサッカー」に当たるものだと言えます。かなりリスクを伴いましたが、そのおかげで決勝トーナメントに出場となりました。

日本はベルギー戦では、最後までひたむきに攻め続けました。「日本らしさ」というものを、この試合を通じて改めて実感したのも確かです。私も誇らしさを感じたと同時に、やはりこの先に行くには「イノセントサッカー」ではいけないんだろうかと、複雑な気持ちにもなりました。

今回の記事でこのW杯コーナーは最終です。(1人で楽しんでる節がありますが(^^; )
誰について書こうかなと思っていた時にこの方が思い浮かびました。
クロアチア代表のモドリッチ選手です。「イノセント」という言葉に通じる人かもしれません。


ルカ・モドリッチ
1985年9月9日生まれ
クロアチア代表   利き足:右
(※今回は生年月日のみで見てみます。)

生年月日を観た瞬間にとても腑に落ちるものがありました。

ライフパスナンバー(生年月日の数字を全て足して算出した数)は「5」。「自由、成長、チャレンジ、好奇心」。モドリッチを起点とした魅力的な攻撃には、このキーワードがとても表れていると感じます。アイデアがあり、彼が絡むことで攻撃が活性化されます。サッカーをする上でも、とても重要になってくるキーワードかもしれません。

そして、生年月日を見て何より気になった「9」という数字。パッと目に飛び込んできます。
「9」には「慈善、忍耐、慈悲、人道的、奉仕」というキーワードがあります。これはモドリッチのプレースタイルにも表れていると感じます。

モドリッチはクロアチアのキャプテンであり、このチームの司令塔でもあります。
キャプテンは、声を必死に出してみんなを鼓舞したり、厳しい言葉もかけたりするんですが、チームによっても少しずつその姿が違うと感じます。
モドリッチは攻守に渡って献身的にプレーする選手です。クラブでは強豪レアルの司令塔としても重要な役割を担い、世界のトッププレーヤーの1人です。けれど、そんなトップ選手でありながら驕った姿勢は一切なく、チームのために必死に汗を流し、クロアチアの優勝を願って最後まで戦いました。決勝トーナメントに入ってからの3試合を、全て延長戦で勝ち上がって来た姿にも胸を打たれます。応援したくなる選手であり、チームでした。
決勝はフランスに敗れ、残念ながら準優勝となりましたが、その戦いぶりは心に残りました。
モドリッチには、トップ選手にありがちな、ダイブや審判を欺くようなずる賢いプレーも見られません。サッカーが大好きな少年がそのままプロになったような、そんな選手だと感じます。

数秘で「9」を持つ人は、その根底に愛と奉仕の精神があります。自分のことはおいてでも、誰かのために力を尽くす。魅力的でカリスマ性も持ち合わせています。
ライフパスナンバーに「9」のある人で有名なのは、ガンジーやマザーテレサです。まさに「無私無欲」の「奉仕の人」。
モドリッチはバースデイナンバーに「9」があり、誕生月の9とダブルで浮かび上がってきます。バースデイナンバーは、その人の得意とすること、意識せずとも人よりできてしまうことを表します。モドリッチにとって、誰よりも走り、献身的にプレーすることは当たり前で、「僕はキャリアで獲得してきた全てのトロフィーと交換することができる」と言った決勝への意気込みからも、クロアチア代表として戦うことの意味を感じました。
モドリッチは、紛争に巻き込まれ難民として過ごしていたり、決して恵まれた幼少期ではありませんでした。だからこそ余計に国の代表として戦うことに、とくに深い思いがあるんだと思います。
「9」の特徴を持つ人は、その人の背中を見せる、そんな生き方をしていると感じます。その人の生き方が、人に何かを思わせる。「俺についてこい!」タイプではなく、その人の生きる姿勢に人々が感銘する。
「この人についていこう。」
「この人と共に戦おう。」
モドリッチのキャプテンとしての資質はそういうところにあると思います。

今大会、モドリッチの活躍を観ることができて良かったです。胸を打たれる、そんなプレーを観させてもらいました。今年のバロンドールはモドリッチにとってもらいたい!と心から思います。

初めの「イノセントサッカー」に戻ると、やっぱりモドリッチのプレースタイルに通じていると感じます。「純粋」にサッカーを楽しみ、魅力的なプレーを展開する。
私が観たいサッカーは、多分こういうサッカーなんだと思いました。今後日本代表がどういう方向へ進むのかまだ分からないけれど、今大会の日本代表の試合がその姿勢を見せてくれたと感じます。
時にはずる賢いプレーも必要かもしれません。ただ、根底には「イノセントサッカー」があって欲しいと思います。そんなんじゃ勝てないよと言われるかもしれません。けれど、そんな魅力的なサッカーが現代サッカーにおいて勝ち切るところを観たいです。私は、日本にはそれができると感じます。システムを理解し、皆が献身的にプレーできる日本なら。いつかそんな日本代表がW杯の頂点に登る日を本気で夢見ています。

ロザンの菅ちゃんが、ベルギー戦後に関西の情報番組で言っていた言葉が心に残っています。

続き物の映画を見させていただいたみたいな感覚。新作が4年後かみたいな。


楽しみは、また4年後。
物語は続きます。


“HDIGABTT ?”