この病気になってしまった人が必ず耳にし気にする言葉に

 

生存率 xステージ (生存率とステージの掛け合わせ)

 

があると思います。

 

5年生存率のデータは良く見られる一方で、10年生存率のデータはあまり(ほとんどと言っていい)見かけないように思います。

 

で、”じゃ、主治医に聞いてみよう”

というのは、私はあまりにも安易な考え方だと思います。

 

10年のデータがポピュラーでないのには、いくつか理由があると思います。

 

追跡調査(フォローアップデータの取得)が難しいと考えれられる理由として、

私が考える一番の理由は、長期の追跡調査が難しいことです。

 

例えば私は卵巣嚢腫のことでかれこれ20年近く婦人科に通っています。

疾患はずっと同じ(再発アリ)ですが、転勤や納得のいく病院探しなどで、

これまでに6回病院を変わっています。

通院そのものが途中、途切れたことも何度かあります。

 

担当医を追って病院を変えていった訳ではないので、データは途中で途切れていることになります。

病院を変える時に紹介状とデータを持参したのは1度だけです。

 

これは私個人にだけ当てはまる話ではなく、こんな感じで、

一般的に一人の患者が10年間、同じ医師(同じ医療機関)に診てもらうことはとても少ない。

それが現状かと。

 

理由のもう1つは、この10年で抗がん剤治療の選択肢が増えたことです。

完治は難しい場合でも、抗がん剤の開発は、延命にはかなり寄与しています。

 

今日は詳細な理由の記載は割愛しますが、あるいくつかの理由があって、多くの製薬会社は抗がん剤の研究開発をしています。

それで選択肢がどんどん増えているのです。

 

そういう流れにあった時、少し古くなってしまった10年生存率のデータは、既に治療法が異なっているので、

これからの人にとってあまり参考にならなくなります。

10年もきっちりフォローして、それがあまり意味をなさないのであれば、誰もやらない(学会発表や論文としてまとめて世の中に公表しない)

ですよね。

 

私ももちろん10年再発率(もっと言えば20年の数値も)は是非とも知りたい数値ですが、安易に求められるものではない、

ということを肝に銘じておこうと思います。