更新は原則、1日1記事と決めているのですが、すごい記事を見つけたのでご紹介させてください。
これがもし実用化されたら凄いことになりますね!!
原著論文は今年年頭のcancer cellに投稿されているようです。
まだ動物実験の段階なので、本当に人に応用出来るかどうかは分からないですが。
この研究のポイントは
既に承認されている薬の組み合わせなので、臨床試験が(新規の治験薬よりは)やりやすいという点にあると
思います。
それぞれの薬の単剤でのプロファイル(用量や安全性など)が分かっていますので。
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乳がん細胞を脂肪細胞に変えることに成功:バーゼル大学の研究
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/08/post-12771.php
(以下、一部抜粋)
上皮間葉転換とは、周囲の細胞と接着する上皮細胞がその機能を失い、周囲と結合せず、運動性の高い「間葉」の特性を持つ細胞へと形質が変化するプロセスを指し、間葉上皮転換は、逆に、間葉系細胞が運動性を失い、上皮細胞の形質を得る現象をいう。がん細胞は、これらのプロセスを用いて次々と転移し、体中に広がっていく。
研究チームでは、上皮間葉転換や間葉上皮転換が進行中の細胞は可変状態にあることに着目。ヒトの乳がん細胞を雌のマウスの乳腺脂肪体に移植したうえで、食品医薬品局で承認されている抗がん剤「トラメチニブ」と2型糖尿病治療薬「ロシグリタゾン」をこれらのマウスに投与した。
その結果、乳がん細胞が脂肪細胞に変化したほか、原発腫瘍の成長が抑制され、転移も防ぐことができた。また、長期の培養実験によると、がん細胞から変化した脂肪細胞が乳がん細胞に再び戻ることはなかった。「トラメチニブ」ががん細胞から幹細胞への移行プロセスを高め、「ロシグリタゾン」の作用と相まって、幹細胞から脂肪細胞への転換がすすんだためとみられている。