(術後の病理結果を聞いたのは、2019520日頃の話です)

 

乳腺外科の部長さんがある日の夕方、突然やって来て、話があります、と処置室に呼ばれました。

 

部長先生はご多忙なので、朝晩は二番手の若い女医さんが顔を見に来て下さっていたのですが、なんだかお急ぎというか慌てたご様子だったので、私は察しました。

 

多分、術前の病理診断と術後との結果が異なってて、急いで伝えたいということは、悪い方向に転じたんだなあって。

 

部長先生は何というか、とても正直な方というかね。雰囲気でそういうのが分かっちゃうんですよ。

 

告知の時もそう。前の患者さんが診察室から出てきて、あと数分だって思ったけど、間髪入れずに本当にすぐ呼ばれた。そして座るか座らないかって時にもう、

”結果はがんでした。残念でした。”

 

きっと早く伝えてあげようって、親切心なんだと思いました。

 

話を戻して、処置室で

”病理の結果が出ました。乳管内のしこりは4.4㎝ありました。全部がんでした。その他に0.4㎜のがんが乳管外にいくつかみられたので、ステージは1です。ホルモン療法をやった方がいいと思います。”

 

その他のことについても説明はあったけど、腫瘍の大きさやリンパ節への転移の有無などは大きく変わりがなかったということしか覚えていません。それにしても4.4㎝って結構大きい。術前の説明では、全部が全部悪性とは限らない、切ってみないと分からないけど、最大4㎝ということです、とのことでしたので、一番あって欲しくない結果となってしまいました。

 

私の後ろに二番手の女医さんが付き添って下さいましたが、私は目の前の部長先生と後方の女医さんを交互に見ながら、

”ゼロじゃなかったんですね。それは残念です。本当に残念です。ああもう本当にゼロじゃなくて残念。”

 

残念。それしか言えませんでした。

 

ゼロだったら、ホルモン療法も不要で、再発率もかなりゼロに近いってことだったのにね。

イチになると話は少し変わってくる。そう、生存率の話が変わってくる。

それが私には怖いんです。