・夜と日曜日はだんなさんが傍にいるので安心している
・ノアに噛み付かれると、猫にまで拒絶されているのかと軽く絶望する
・お義父さんに晩ごはんを作ってもらっている
・だんなさんのサポートがあれば食事を運ぶ、後片付けができる
・お義父さんに朝だんなさんを駅まで送っていってもらっている
・洗濯物を干すことはできる
・最近は自分で運転して駅までお迎えに行けている
・昼間、自分をもてあまして目を閉じ時が過ぎるのをひたすら待つ
重複するが、自分をもてあましている。
外に出たい。でも怖くて、どこも行くあてもないし、出られない。
出られる時は実家に行く。2時間くらい他愛もない話をして少し満足する。
でも違う。本当は実家に行きたいんじゃない。
行くあてがないから実家に行くだけ。
行っても話すことなんてあんまりない。
友だちに会いたい。
すごく会いたい。
でも、こんな私を受け入れてもらえるか怖い。
過食に陥って太りすぎた体と共に、精神もたるんでるんじゃないかと
思われるのが怖い。
みんな頑張っているのに、私は怠けているようで恥ずかしくて怖い。
私らしいと思っていた私が、どこにもいなくなってしまったので、
そんななにもない私を見られるのが怖い。
話がしたい。
でも、なにを話したらいいか分からない。
でも、話がしたい。
でも、話す機会ができるとどもってしまう。
緊張のあまり舞い上がってしまう。
酸欠状態になってしまう。
私の周りにいる人たちは、みんな揃って頑張ってるしちゃんとしてる。
自分をきちんと持っている。
そんな人たちに、負のパワーを与えてしまうんじゃないかと怖い。
話がしたくて毎日誰かの電話番号を見つめる。
でも、どうにもできなくてただ携帯電話を持つ手が震えている。
お義父さんはとても優しい。
病気のことをきちんと理解してくれている。
私のできないこと全てを引き受けてくれる。
でも、これでいいのか。
私は中澤家に「重石」として嫁いできたと思われているんじゃないか。
部屋に閉じこもって何しているんだと思われているんじゃないか。
ただ太っていくばかりで、怠けている嫁と思われているだろう。
稀に顔を合わせれば笑っているので、ただ家事とかやりたくないだけ
と思われているんじゃないか。
話す時、顔がこわばってどもってしまうのでオカシイと思われているんじゃないか。
本当は、私を嫁に迎えたことを後悔しているんじゃないか。
私はもう、使い物にならないんじゃないか。
必要とされている場所はないんじゃないか。
むしろいらないと思われる場所ばかりなんじゃないか。
病院でも、薬さえ出しときゃ大丈夫と思われているんじゃないか。
本当は、自分の殻から出て発散したい。
だからそれが可能になるかもしれない病院を見つけた。
でも、そこでも薬だけの治療が最善と言われたらどうしよう。
私は、人と話したり笑ったり手をつないだりしたいのに。
そんなこと病院じゃなくてもできるはず。
でもできない。
どうしてもできない。
足がすくんでしまう。
心臓がバクバクする。
一時は、そんな自分が嫌で、風邪薬を大量に飲んで眠らせてごまかしていた。
たちくらみ、眩暈、吐き気、頭痛がひどくて、
私にはODで死ぬことは不可能なんだということを知った。
早く死にたいと思っていた。
でも、本当に死にそうになったことがあった。
発作が起こって、台所から包丁を持ってこいという思いが身体と頭を支配した。
これはもう死ぬんだな私、と思った。
でも、あれだけ早く死にたいと思っていたのに、
いざとなるとまだ死にたくないと思った。
隣で笑うだんなさんの姿を失いたくないと思った。
それだけは絶対失いたくないと思った。
そして病院に駆け込んだ。
私は、まだ生きていたい。
また人と笑って話して会って。
普通の生活がしたい。
たまに泣いてもいい。
たまに怒っても悔しがってもいい。
私は普通に生きたい。