平和ボケと名高い日本というこの国に生まれ育った現代の人間が放つ言葉は、何故か可笑しい気がするのです
恋をした相手に、在る人はこう伝えます

「どうか傍にいてくれませんか?」

すると相手方はこう答えました

「あなたは大切な存在だ
 だからこそ、傍に置いておけないんだ」



時にこの言葉を皆様はどう捉えられるでしょうか?
色んな角度から観ますと、色んな見え方、立場、感情、互いの距離感などが十人十色に出て参ります

一つはっきりしているのは、嬢はこういう言葉が嫌いです

大切なものは手元においておくのが人間の心理なのであります
いや、真理であります
それを拒むという行為は、正直相手に対する言葉の裏切りに過ぎないと思うのです
本当に大事なら、肌身離さずというのが根本的に人間が持っている譲れない感情のはずなのです


でも、この人間は「大切だ」と口では言っているが、存在を拒み距離を離します


子供の気持ちを理解したいとき、受け止めてやるとき、一番大事な手段は抱きしめてやる事です
どこぞのCMでもありましたが
童心に還った心を受け止め、大事なものを理解できる方法は、言葉ではありません

手前の言葉は、相手の気持ちを受け入れるより先に、「大切」という飾り言葉で相手を傷つけまいとしているようですが
最終的に「自分にとって必要ない」と遠回しに伝えておるわけです
結局聞き入れることに対して拒否を示しているのですから、相手の気持ちをくむ必要などないわけです


ようは
ハッキリ言わないのは、優しさじゃない
自分の擁護にすぎないのです




段々こういう考えが嬢の心にも芽生えてきました
だからね、もう夢に出てこなくていいよ

「あなたは嬢を選ばなかった」

その現実だけで、嬢の気持ちはもう充分です
どれほど胸に穴が開いても、誰も気付かないのです
だってそうでしょう?

他人様は他人様の傷の痛さなどわかるはずがないのですから