緑の背景に映えるレンガ造りの建物は、開口部を反転させた列柱や、テラスギャラリーの囲壁などがあり、建物自体がひとつの作品のような趣です。また、建物を形作っているレンガは日本の風土に合わせて改良されており、ひとつひとつが職人の手で焼かれているという、こだわりのレンガが使われています。
美術館の周囲には、マルタ・パン作の野外彫刻「リニューブランシュの庭」が広がります。当美術館では近現代ヨーロッパの彫刻家の作品を10点ばかり展示しております。ヘンリー・ムーア、オシップ・ザッキン、ブールデル、ロダン、ジャコメッティ、マリノ・マリーニ、ジャコモ・マンズー、メダルド・ロッソとそうそうたる顔ぶれの作品です。特にヘンリー・ムーアの大理石の彫刻『少女の胸像』、ロダンの『バルザック(最終習作)』、ジャコメッティの『男の胸像』、ロッソの『病める子』などは世界に誇れる一品です。よく期待しないで入館されたお客様が【何故こんな作品がここにあるんですか?】と不思議がられ、又感動されてお帰りになられます。又テラスと外の庭にはフランスの女流彫刻家のマルタ・パンの作品が4点展示されています。特に庭に置かれている3点はリーニュ・ブランシュの庭(フランス語で白い線)と言われている通り、モニュメント・メイズ・フロートの3点の作品がそれぞれ白い線で結ばれており、フロートは風を受けて池の中で向きを変えるユニークな作品です。マルタ・パンはこの庭に自分の作品を完成させた時に当地に来られました。白と緑のコントラストを生かすため、季節に関係なく芝生は緑であることと言うのが彼女の作品を当地に展示する条件でした。美術館で近現代の彫刻を鑑賞された後、是非リーニュ・ブランシュの庭の散策をお楽しみください。大阪江坂という『都会の中のオアシス』として、★庭は無料開放されています。四季折々の変化を楽しめるスポット・文化の香りを楽しめる場所としてご来場をお待ちいたしております。
【マルタ・パン(Marta Pan)】(1923~)
水の上で印象深いフォルムを見せる「浮かぶ彫刻」をはじめ、野外の風景や都市の環境に調和する美しい彫刻で、現代美術に新しい波を起こした。ハンガリー出身の彫刻家。1923年、ハンガリーのブダペスト生まれ。ブダペスト国立美術学校を卒業後、パリに移住。現代美術の巨匠、フェルナン・レジェやブランクーシと交流を持つ。現代建築に大きな足跡を残したル・コルビュジエのアトリエで、生涯のパートナーとなる建築家のアンドレ・ヴォジャンスキーと出会い、結婚。以降、パリ郊外に住みながら旺盛な創作活動を続けている。ポリエステル樹脂やステンレスといった現代的な素材を用いた、シンプルで完成されたフォルム。どの作品も時間、場所、周囲との関係まで成り立っている。自然の中に置かれて、おおらかで心地よい自由な空間を生み出すパンの作品は、環境芸術の先駆けともなり、オランダのクレーラー=ミューラー美術館の庭園など世界中の美術館や公園に置かれ、市民に親しまれている。日本でも、東京の都庁舎の人工池にある「風景の断片」(1991)や、横浜関内ホールの「平和」、箱根・彫刻の森美術館の池にある「浮かぶ彫刻」(1969)、札幌、芸術の森美術館にある「浮かぶ彫刻・札幌」(1986)など数多く見ることができる。
【参考】株式会社サンリバー(SUN RIVER CO.,LTD.)
1940北海道絹毛工業として設立。
1947旭川紡績と社名変更
1950札幌証券取引所に上場。
1951大阪工場操業開始。
1957旭川工場閉鎖。
1969不動産賃貸業開始。
1972ゴルフセンター開設、子会社としてサンリバーを設立。
1983紡績業から撤退。
1984サンリバーと商号変更、これまでの子会社サンリバーを江坂スポーツランドに商号変更。
2001江坂スポーツランドを合併。
2003豊田自動織機の完全子会社化、上場廃止。
【参考】豊田自動織機
448-8671愛知県刈谷市豊田町2-1
http://www.toyota-shokki.co.jp/
当社の関係会社である㈱サンリバーが運営する美術館「スキュルチュール江坂」に、運営費支援や★展示作品の提供などの運営支援を行っています。
豊田自動織機は★豊田佐吉が発明・完成した自動織機の製造・販売を目的として、1926年に創立されました。その後、多角化を進め、繊維機械、自動車(車両、エンジン、カーエアコン用コンプレッサーほか)、産業車両、エレクトロニクス、物流へと事業領域を拡大してきました。生産拠点は、欧州、北米、アジア(中国、インド)に展開し、販売ネットワークは、産業車両や繊維機械を中心に全世界に拡がるなど、グローバルな事業活動を推進しています。豊田自動織機は2006年11月に創業80周年を迎えました。更なる発展を目指し、豊田自動織機は、積極的な取り組みを続けていきます。
【沿革】
1890年(明治23)豊田佐吉、豊田式木製人力織機を発明。
1896年(明治29)豊田佐吉、豊田式汽力織機(木鉄混製動力織機)を発明。
1906年(明治39)豊田佐吉、環状織機を発明。
1924年(大正13)豊田佐吉、無停止杼換式豊田自動織機(G型)を完成。
1926年(大正15)豊田佐吉発明の「自動織機」を製造するため、愛知県碧海郡刈谷町(現刈谷市)に株式会社豊田自動織機製作所〈現株式会社豊田自動織機〉を設立。
1929年(昭和4)精紡機の生産開始。イギリスのプラット社と、自動織機の特許権譲渡契約を締結。
1931年(昭和6)ハイドラフト精紡機の完成。
★1933年(昭和8)自動車製造のため、自動車部を設置。
・・・この個性的な美術館は、ようするに「トヨタ」の美術館なのです。納得ですね。