殿様調査(8) | すくらんぶるアートヴィレッジ

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堺自然ふれあいの森

590-0124堺市南区畑1740番地072-290-0800

大阪府堺市の緑のシンボルエリアである南部丘陵エリアに位置し、豊かな自然環境や多様な生き物の生息空間を保全するため、市民協働により後世に残す里山公園である。周辺環境との連続性を踏まえながら、自然環境の保護、活用、復元を図っていく「里山の保全」を目標とし、市民ボランティアの活動による森の整備を行っている。また、「森の学校」をテーマに人と里山との新しい関わり方を模索する場を目指しており、園内散策のほか、休日を中心に様々な自然体験学習のイベントや講座が開催されている。また、保育所や幼稚園、小学校などの遠足や校外学習でも活用されており、現地職員(レンジャー)によるプログラムに参加することが出来る。2006年の開園と同時に指定管理者制度が導入され、現在は、大阪ガスコミュニティライフ株式会社と株式会社生態計画研究所で構成される「OSS・EPRグループ」が指定管理者として管理運営にあたっている。また、市民協働の担い手として、NPO法人いっちんクラブが公園の支援活動を行っている。

忽那裕樹(くつなひろき)1966年生まれ。ランドスケープ・デザイナー。

大阪府立大学緑地計画工学講座卒業。2000年環境デザインスタジオE-DESIGN(イーデザイン)設立。堺市ふれあいの森プロポーザルコンペ最優秀賞。大日六丁目にぎわい広場(神戸景観ポイント賞)など。共著『都市環境デザインの仕事』『ランドスケープ批評宣言』。京都造形芸術大学・大阪市立大学非常勤講師


さか1


7/13カエルの観察会

①開始直前まで降っていた雨もやみ、広場や畑の水路、そして田んぼでカエル探しです!6月に雨が少なかった影響でか、沢山とはいきませんでしたが、しっかりじっくり探してトノサマガエルやヌマガエル、ニホンアカガエルなどを捕まえました。

②森の館まで戻ってきて、目はどこ?耳は?足の指は何本?水かきは?と、観察しながらスケッチをしました。

カエルの観察会の時に、トノサマガエルの特集をするとかで関西テレビの取材が入っていました放送(予定)日は、8月1日(金)18:00のニュース「アンカー」内のコーナー<金曜日のギモン>です。ふれあいの森か、森のカエルか、イベントの様子かかが映ると思うので、是非チェックしてください



さか2


ニュース「アンカー」金曜日のギモントノサマガエルの危機

金曜日のギモン、今週のテーマは「トノサマガエル」です。皆さん、最近、見かけた記憶はありますか?以前は、田んぼなどどこにでもいる身近な生き物だったトノサマガエルが、いま、危機に瀕しているというのです。何が起きているのか、ギモン調査しました。

こちらは、カエルの観察会。虫取り網にカゴを持って皆さん気合が入ってますね

【参加者】「あ!おった!おった!でっかい!やった~!」

さっそく見つかったようです!さあさあ!ギモン隊も仲間に入れてもらいましょう!

【ギモン隊】「う~ん、いない…全然いないです…」

カエルが苦手なギモン隊。結局、1匹も見つけることができませんでした…。

一方、子供たちは捕まえたカエルを観察して、絵を描いています。

こちらはトノサマガエルですか。子どものころ、田んぼでよく見かけましたね~。

Q.お家のまわりにカエルっている?

【女の子】「おらん」【男の子】「あんまりおらん」

なにぃ!?トノサマガエルが“おらん”!?

実は今、トノサマガエルの数が減少しているというのです。日本最古の漫画とされる「鳥獣戯画」にも登場したトノサマガエル。座った姿が威張った殿様のように見えることから、その名がついたとも言われています。背中の真っ直ぐな模様が特徴で、主に田んぼが住み処です。昔はあちこちにいたトノサマガエルですが、今や、将来絶滅する恐れがある「準絶滅危惧種」に指定されています。

【男性】「か~え~る~の~う~た~が♪」

【女性2人】「き~こ~え~て~く~る~よ~♪」

【別の女性2人】「グワグワグワグワ」

【子ども達】「ゲロゲロゲロゲロクワクワクワ!」

そうそう!カエルと言えば、誰もが歌えるこの曲ですね♪ではカエルの歌声に耳を澄ませてみましょう…

【田んぼのカエルの鳴き声】「ケケケケケケケケ」

聞き覚えのある、この声の主は…?

【京都水族館・佐藤亜紀さん】「ニホンアマガエルですね。トノサマガエルはグググと短い声で鳴きます」

結局、この日は一度もトノサマガエルの声を聞くことができませんでした。今の時期、ほとんど鳴かないということです。しかし、お腹のあたりに触れられると鳴く習性があるそうで、専門家が聞かせてくれました。

【片平敦 気象予報士】「カエルナビの時間です」

【ギモン隊】「はい、片平さんお願いします」

【片平敦 気象予報士】「トノサマガエルというのは、冬の間は冬眠して土の中にいるんですが、春がやってくると、土の中から出てきて姿を見せるというわけなんですね。ですから、トノサマガエルの姿を早く見つけることができれば春の訪れが早かったり、あるいは遅かったらことしは春の訪れがちょっと遅いんだな~と、『季節の遅れや進みを見る目安』として気象台で観測しているわけなんです。今年は、彦根の気象台でひさしぶりにトノサマガエルを観測したというわけなんですが、カエルにしてみたら、『早く見つけてケロ』って言ってたかもしれません」

Q.どうです、見つけた時は?

【彦根地方気象台・小菅威さん】「あ!いた!という感じ。ようやく見つけたのでホッとしました」

彦根地方気象台の小菅威さんはことし4月、この場所でトノサマガエルを見つけました。彦根での観測は10年ぶりのこと。最近は見つからないことが多いため、他の地域ではトノサマガエルの観測をやめたところもあるのです。

【彦根地方気象台・小菅威さん】「他の場所でもやっていますが、年々観測しにくくなっているということはありますので、数自体が全国的に減っているというのは間違いない」

なぜトノサマガエルが減ってしまったのか?彼らの住処となる田んぼの面積は、この50年ほどで3割近く減りました。また、カエルが繁殖する梅雨の時期に、田んぼの水を抜いて土を乾かす「中干し」が行われるため、オタマジャクシが死んでしまうのです。さらに、田んぼ脇の水路がコンクリートで整備されたことで、手足に吸盤がないトノサマガエルが、エサの少ない水路から出られずに餓死することが増えました。

生き物との共生を目指す米作りがあると聞き、ギモン隊は滋賀県高島市へ。

【たかしま有機農法研究会・梅村元成会長】「これが“亀カエルスロープ”といって、カエルや亀が田んぼに上がれるスロープですね」

田んぼ脇の水路には、カエルが落ちても脱出できるよう手作りのスロープが!また、水路の魚が田んぼに上がって産卵できるよう階段状の道も設置していて、一時はほとんど見られなくなったメダカが今はあちこちを泳いでいます。

【たかしま有機農法研究会・梅村元成会長】「生き物が健全に暮らしているところのものを食べたら、我々も元気になるという思いでしている。まだまだ50年近く前の生き物が豊富だった環境には戻ってはいないけど、生き物共生の取り組みをやることによって少しずつ増えている実感はありますので、こういう取り組みが広く広がっていけばいいと思っています」

Q.何かおった?
【女の子】「ドジョウいてた!」

近くの川にはたくさんの生き物が暮らしています。トノサマガエルもいると聞いて、ギモン隊も探してみました。

【ギモン隊】「あれ?どこにいったん?…おった!待って!待って!ほら!ほら!とれました!トノサマガエルです。背中のまっすぐな縦線が特徴です。よかった」

他にも10センチほどの、大きなトノサマガエルも見つかりました。

【ギモン隊】「これもトノサマガエルです。ひ~!でっかい!これはちょっと…(カエルが逃げ出す)ぎゃーーーー!!!」

身近な生き物が、いなくならないように――。一緒に暮らしていける方法を考えてみませんか


さか3


滋賀県高島市

琵琶湖の北西部に位置する滋賀県高島市。その湖畔や山あいには、昔ながらの豊かな田園や里山の風景が広がっています。 栽培期間を通して化学農薬や化学肥料を使用しない、環境保全型の農法によって栽培・収穫された「たかしま生きもの田んぼ米」。こだわりのお米をぜひともご賞味ください。滋賀県高島市は豪雪地の山里から、湧き水が豊かな湖岸の集落まで多種多様なふるさとの景色が広がっており、その美しい里山の風景は、NHKスペシャルの「映像詩~命めぐる水辺~」や、国際的な写真家・今森光彦氏の作品などでも知られています。万葉集に地名が残るほど長い歴史をもち、古くから自然との共生の文化を育んできたこの土地には、伝統的な生活文化や生業(なりわい)が今も見られます。以前はどこにでもあったはずの景色や、どこにでもいたはずの様々な生きものたち、昔ながらの味わいや香り、音などが、今もゆっくりと息づいています。その豊かでどこか懐かしいふるさとの風景に魅了され、京阪神からのアクセスもよいことから、高島の地を訪れる人も増えています。大都市圏に暮らす多くの人たちが失いつつある「ふるさと」の姿が、きっとここにあります。「たかしま生きもの田んぼ」には、トキやコウノトリのようなトップスターこそいませんが、ちょっと前までは日本のどこでも身近な存在だった「田んぼの生きもの」が今も豊かに暮らしています。私たちの基本理念は、「生活者(消費者)の安心(食と生活環境の安全性)」、「農家の安心(農産物からの安定収入と地域活力の向上)」、そして「生きものの安心(生息環境と生物多様性の保全)」の『3つの安心』です。お米を育てる農家、田んぼで暮らす生きものたち、そしてお米を食べる生活者(消費者)が、「たかしま生きもの田んぼ米」を通じて、恵みをわかちあい、安心を育み、そして心を通わせあう。このような関係づくりを行い、持続していくことを、私たちはめざしています。

「たかしま生きもの田んぼ」では化学農薬や化学肥料の使用を厳しく制限していますが、そのほかにも、「田んぼの生きもの」たちと共生するために様々な工夫を行っています。田んぼの生きものは、その地域の環境条件によって顔ぶれが変わります。湖のほとり、平野部、山間部と、それぞれの環境に個性豊かな生態系が育まれているのです。「たかしま生きもの田んぼ米」を育む農家は、それぞれが耕作する田んぼやその周辺の生きものを調べ、田んぼと共に守り育んでいく「自慢の生きもの」たちを見つけ出すことを必須としています。「自慢の生きもの」たちがより豊かに暮らしていけるように、それぞれの農家が工夫をしています。地域により、さまざまな共生策が展開されています。


さか4


(1)中干しの延期実施

中干しとは、田んぼの水を落として地面を乾かし、稲の根を丈夫にするなどの行程をいいます。通常は梅雨の間に実施しますが、そうするとオタマジャクシやトンボのヤゴなどがひからびて死んでしまいます。そのため、カエルやトンボに育って水から離れる梅雨明けまで待ち、中干しを実施します。

(2)水田魚道の設置

田んぼの近代化整備によって水路と田んぼの間に大きな段差が出来たため、産卵のために田んぼを利用していたフナやナマズなどの魚たちの通り道が分断されてしまいました。そこで自由に魚たちが田んぼにのぼれるように手作りの魚道を設置しています。

排水路を堰あげして水面を高くする魚道と、階段状の魚道を設ける方法があります。高島では後者の方法に独自の工夫を加え、メダカものぼれる魚道を設置しています。

(3)亀カエルスロープ

田んぼの近代化整備で魚たちが田んぼに入れなくなったのと同じ理由で、水路に落ちたカメやカエルが戻れなくなっています。水路に落ちたカメは日光浴ができず、骨格障害の病気になり、カエルは元の住処に帰れません。そこで、カメやカエルが這いあがれると共に、水路の水流を阻害しない新式のスロープを開発しました。

(4)避難用ビオトープ水路

中干しを梅雨明けまで延期しても、まだカエルになっていないオタマジャクシや、トンボになっていないヤゴなど多くの生きものたちが水の中にいます。そうした生きものが避難できるように、田んぼの中に避難用のビオトープ水路を作る農家もいます。

(5)休耕田ビオトープ

休耕田は、減反のためにお米を作れない田んぼです。そこを丸ごとビオトープに改造し、年間を通じて水辺の生きものが安定的に暮らせる環境を創り出しています。完成したビオトープは地域の小学生の体験学習の場にもなっています。

(6)冬季湛水水田

冬の田んぼに水を張ることで、ハクチョウなど多くの水鳥が餌をとったり休んだりする野鳥の楽園が生まれます。同時に、土の中のイトミミズが活発化し、田んぼの土の表面を柔らかくして雑草の種を土中深くに埋め込み、発芽させにくくする効果もあります。

(7)牛耕の復活

かつて、高島市の山村では山の手入れをすることで得た草や木々の若枝を、田畑の耕作用の牛の餌や牛舎の敷き草とし、牛糞を混ぜて田んぼの肥料とする農法が行われていました。近年、里山に手入れがなされず、荒廃した森では山野草や野鳥など、多くの生きものが生息の場を失っています。人と田んぼと森が一体となっていた時代の知恵を取り戻すため、高島の山間部では牛耕の復活に取り組んでいます。


さか5


◆農林水産省・特集 生物多様性(2)

里からの発信生きものを育てる稲作農家の挑戦

琵琶湖の湖畔から山里へと広がる滋賀県高島市。ここに田んぼで育まれる生きものを大切にするために、「たかしま生きもの田んぼ」プロジェクトを立ち上げ、環境保全型の農業に転換した人たちがいます。その母体であるたかしま有機農法研究会を訪ねました。

自慢できる生きものがいっぱい

たかしま有機農法研究会が拠点を置く滋賀県高島市は、日本海側とを隔てる山脈を背後に控えた琵琶湖の北西岸にあります。訪ねるために乗った湖西線の車窓には、どこまでも水田が続くのどかな田園風景が広がっていました。多品種の水稲を栽培する米どころです。「高島の田んぼには多様な生きものが生息しています。ナゴヤダルマガエルは、沖縄を除く国内では最も絶滅が危惧されるカエルです。そのカエルがこの周辺の田んぼにはたくさん生息しているし、健全な里山環境が維持されていなければ、なかなか生息できないニホンイシガメや環境省のレッドデータブックで準絶滅危惧種になっているハッタミミズやチュウサギも、ここには多数生息しています」と話してくれたのは、たかしま有機農法研究会の会長である梅村元成さんです。「このような稀少な生きものたちが暮らす田んぼの環境を壊してはいけないと強く思いました」

環境への負荷の少ない農業へ

そこで梅村さんは、平成11年から農薬や化学肥料を使わない米づくりに取り組み始めました。そして平成18年、生態系に配慮した農業を行ってきた農家7名が集まり、生きものたちと共生できる米づくりを目指して、たかしま有機農法研究会が発足しました。無農薬・無化学肥料での栽培は安定供給や安定収入という意味でリスクの高いものでした。しかし、技術研修や勉強会を重ねた結果、農薬や化学肥料の使用を厳しく制限した米を、安定的に生産できるようになりました。田んぼにはナゴヤダルマガエルも増え、フナやナマズが産卵のためにやってきます。そんな豊かな田んぼの米は「たかしま生きもの田んぼ米」として、直販を中心に消費者に届けられています。