ジジ・オネット(14)
マリオネットと地車は関係ないがな、と思われる人のために・・・
■飛騨高山祭り
絢爛豪華な祭り屋台。巧妙で繊細なからくり。そして人々の歓声・・・長く厳しい冬が終わると、春の訪れを待ちかねたように、毎年4月14日~15日、飛騨の小京都と呼ばれる高山市では、春の高山祭りが開催されます。祭りの主役は12台の屋台。屋台とは祭礼で曳き回される飾り付けをした車で、地方によっては山車(だし)など様々な呼ばれ方をしています。春の高山祭りは、高山市城山に鎮座する日枝神社の例祭です。秋に行われる桜山八幡宮の例祭とともに、高山祭りと呼ばれています。祭りの起源は古く、江戸時代前期。約400年の歴史を誇る高山祭りは、京都市の祇園祭り、埼玉県の秩父夜祭りともに、日本三大美祭に数えられています。お旅所前には神楽台と3台のからくり屋台が曳き揃えられています(この2日間だけ同地に曳き揃え)。両日とも神楽台の周りでは獅子舞を披露。からくり屋台では綱方(からくり人形を操る人)によって趣深いからくりが行われ、その人形の艶やかな動きに、多くの観光客が歓声をとばします。(からくりは1日2回行われます)。4台の屋台は、江戸時代、飛騨の匠と呼ばれた名工たちが造りあげたもので、装飾、彫刻などとても見応えがあります。この4台の中では、特に、神楽台の獅子彫刻(名工谷口与鹿の作品)が見る人の目を引きつけます。からくり奉納の時間は、意外に長くて3台合わせて1回50分とたっぷり楽しむことができます。網方は1人でなく数人が協力して人形を動かすため、想像よりも複雑な動きをします。とても濃密な演技に、驚かされます。
石橋台のからくりは、23本の細綱で操るからくりです。濃艶な美女が踊っているうちに、獅子に変身し狂ったような動きをします。また元の姿に戻り、両手に牡丹の花を持って千秋万歳と舞い納めるという構成です。美女の静かな動きと獅子の激しい動きが対照的です。
三番叟のからくりは、25本の細綱で操るからくりです。写真のようなかわいい童子(童形の三番叟人形)が所作を演じます。童子が翁に変身。そして、謡曲「浦島」にあわせて舞うというものです。童子から翁に変身する瞬間、会場から大きな拍手が沸き起こります。
龍神台のからくりは、32本の細綱で操るからくりです。唐子が機関樋(きかんどい 上部に突き出た棒 からくり人形を操作する綱を収納)の先端に運んだ壺の中から、突然赤ら顔の龍神が紙吹雪をあげて現れ、荒々しく舞います。龍神の荒々しい動きが見ものです。
からくりを操る技術は、屋台組の人々によって、代々受け継がれてきたものです。熟練した技術が必要で、祭りの前には幾度となく練習をされるそうです。からくり人形は江戸時代の初め、徳川家お抱えの和時計師によって尾張の地で誕生したと言われています。それが高山に伝わり、屋台に取り入れられました。高山の名工たちが持っていた優れた技術を背景に、屋台組はお互いに人形の動きの巧みさを競い、現在のようなからくりになったということです。
マリオネットというより「からくり人形」がぴったりなんですが、もう芸術ですよね。
さて、地元「古市」では・・・試験曳きでした。
孫といっしょに・・・六町すべてを見て歩きました。