偽の売国奴(1962・米) | まなぶんの戦争映画辞典

まなぶんの戦争映画辞典

これまでに見た戦争映画について、戦車などの軍用車輌、ヒロインの写真で紹介していきます。また、ナチス役などの個性的な俳優についても紹介します。BD、DVD、VHSで保有している全ての戦争映画を掲載するのが目標。コメントお待ちしています!

偽の売国奴(THE COUNTERFEIT TRAITOR)

 

監督・脚本 ジョージ・シートン

出演 ウィリアム・ホールデン、リリー・パルマー、ヒュー・グリフィス、エヴァ・ダールベック、ウォルフガング・プライス、ウェルナー・ピータース

1942年、中立国スウェーデンの首都ストックホルム。アメリカ出身でスウェーデン国籍の石油商人エリクソン(ホールデン)は、ドイツに石油を売っていたため売国奴として連合軍のブラックリストに載せられ、世間だけでなく友人や妻からの批判にさらされていた。諜報部員コリンズ(グリフィス)は、連合軍のスパイとしてドイツの状況を報告すれば、ブラックリストから消せると彼に持ちかけてきたのだが・・・

冒頭のシーン。左がエリクソン(ホールデン)。右が諜報部員のコリンズ(グリフィス)。ホールデンは大名優なので説明は省略。ヒュー・グリフィスは「ベン・ハー」の族長イルデリム役でアカデミー助演男優賞を取っています。

ドイツの飛行場シーン。右にエリクソンが乗ってきたJu52。向こうに練習機がいますが何ですかね?左手前には4連装対空砲が見えます。対空砲兵はちゃんと空軍の軍服です。良いシーンです。

別のシーンでのJu52のアップ。奥に見える給油車や消防車もいい感じ。

この作品、スウェーデン、ドイツ、デンマークで大々的なロケを行っています。これはハンブルクのシーン。ソフトスキン車輌がたくさん。真ん中の青いのはオペル・ブリッツの民間タイプですね。

左はメルセデス170。右のトラックは見たことあるような。後で調べます。

これはオペル・ブリッツのクレーン車ですね。映画での登場は珍しいです。

キューベルワーゲンもチラリとだけ登場します。後ろで瓦礫を登ってるのはエリクソンさん。

この駅のシーン、左の軍用列車に戦車みたいなのが積まれていますが詳細は不明。雰囲気は素晴らしいです。

 

コペンハーゲンのシーンに魚屋さんのトラックが登場。車種は不明ですが良いです。他にも色々登場しますが、切りがないので打ち止め(笑)。

ヒロインはマリアンヌ(パルマー)。当時48歳ですが大人の美しさがありますね。戦争映画では「クロスボー作戦」の宿屋の女主人役が有名です。他に「ブラジルから来た少年」にも出演。

この作品、ドイツ人役は主にドイツ人役者が演じていて、戦争映画の有名人が多数登場します。まずはゲシュタポのノルドフ大佐(プライス)。ウォルフガング・プライスについては説明不要ですね。金髪は似合わないかも。

悪いドイツ軍人といえばこの人、ゲシュタポのウルリッヒ大佐(ピータース・右)。ハゲのナチス役はクリスチャン・ベルケルに受け継がれていますね(笑)。「脱走大作戦」「バルジ大作戦」など戦争映画の出演多数。

中央はオルデンブルグ男爵(エルンスト・シュローダー)。見たことあるなと思ったら「史上最大の作戦」で第15軍司令官ザルムート将軍を演じていた方でした。部下とポーカーしてるシーンです。

チョイ役の神父役にはギュンター・マイスナーが。

最後に一緒に逃亡するユダヤ人役にはクラウス・キンスキーが。後日、悪いナチス役を多数演じた二人が神父とユダヤ人とは!(笑)

感動のラストシーン。手前は最後までエリクソンを信じてくれていた親友のユダヤ人マックス(ウルフ・パルメ)。

 

(寸評)

140分以上の長尺ですが展開がスリリングで飽きさせません。親ナチスのふりをして妻や友人を失っていくシーンはあんまりですが、エリクソンは実在の人物で内容はかなり自分を美化して盛っているとの説もあります。いずれにしてもスパイものが好きな方は必見の作品だと思います。

(評価)☆☆☆☆(5点満点)   *BD

(双葉)☆☆☆★★(4点満点) ※★1つは景色で増加→確かにロケーションは素晴らしい!