夜に入る、すこしまえの空

澄んだ夜に浮かぶ雲の合間の月を



バイクのエンジンを温める間の時間

物思いにふけながら見つめる





歳の瀬、今年も早かったな

一年前の出来事が昨日のようだ


走り続けた、そんな一年だった




穏やかな生活が欲しかった



穏やか生活を得るために

何かの努力をしたかと言われると



そのための努力は何もしていない




不安との戦い、僕の仕事の捉え方

常に付きまとう、不安



休み中も、僕の思いも、お構いなし



ふざけるな、やってやるよ





人数不足の人員、非常事態宣言明け

溜まりに溜まった仕事の群れが動き始め




怒涛のように追い立てて来た

失敗しようが間違えようが



誤魔化したり、その為の嘘をつく事は

しまいと決めていた



そうしようと思えば、それなりに

出来る経験は持っていた





ただ、そうすることで噓のまた噓をつく

糸が絡まり時間かかる


そんな噓のつじつま合わせに時間や思考を

使うことが馬鹿らしいと思った





僕が仕事が出来る出来ないは抜きにして

間違えようが失敗しようが怒られようが



ありのまま、そのままの自分で

精一杯、仕事に取り組んだ



それでも、お客さんや上司や同僚に

怒られたり不満をいわれた



上手く行かないことが重なり

気持ちが折れかけた事も何度もあった





でもね、不思議と、それまでの


やらされてる感や上手く行かないことを

自分以外のせいにする事は無かった




それは自分が、やってやるって

決めたから



それはね、楽になりたかったから

なにより自分が楽になりたかったから





身体も気持ちも、とても疲れたよ

だけど、不思議と充実感がある




決して全てが完璧に出来てはいない

それでも、不完全でも、それでも




自分が決めたことを

突っ走って、やり通した




やり通したあとには

穏やかな時間が待っていた






澄んだ夜の入り口の空に浮かんだ

ぼんやりとした月を眺めながら



ホントによく頑張ったねって

自分に言ってあげた





まなぶ