4月下旬の春の陽気からの連休明け

北風に吹かれる開花した桜を眺める



毎年、花見の人々で賑わうスポットの
この街道に今年は人出はなく
普段と何ら変わらない



ただ桜の木だけが枝から芽吹いた白に
頬が赤くなる時のような桃色を


薄すらとほんの少しだけ纏わせた
白ともピンクとも言い難い葉の色で


冬の季節の景色から
春の季節の景色へと街並みを彩っていた




今は年度末の真っただ中の夕方、僕は


座間日産工場と東名横浜インターを
結んでいる座間大和線の


聖セシリア学園入り口交差点付近で
渋滞にハマっていた



交差点の一角のガソリンスタンド
ほぼ毎日そこのアルバイトで働く少年



学校とアルバイトどちらが本業かもう
わからないですよと言っていた



将来、自分がどうなりたいのか、
まだわかんないですね


自分の夢ですか?お金持ちですかね



幼さの残る顔で笑っていた




本音か冗談か、きっと本人も
本当にわからないのだろう




世間一般では


将来自分がなりたい何かを目指して
大きな夢を持って目標に向かって


頑張って努力することが素晴らしいと
教育されてきたし、そうだとも思う



ただ将来なりたい物や夢を持つことが
義務にならないといいよね



なりたい物が無いと夢を持っていないと、
そんな人でもダメな人ではないんだ




毎日の生活の中で
小さな喜びや楽しみ

自分の気持ちが落ち着いたり
心がウキッとするような


そんな事の延長や広がりが夢となり
将来なりたい物や事に繋がっていく




人と同じじゃなくたっていい
マニアやオタクと呼ばれたっていい


それがコロコロ変わったって全然いい
年齢や性別とかも全く関係なくね





それと将来なりたい物や夢が無くても
人生を楽しんでいる人たちもいる


そんな人たちと出会うと
将来なりたい物や夢はというのは

人生を楽しむ為のアイテムの
ひとつなんじゃないかって思うよ



だからね
持っていないとダメな人ではないんだ




世間一般が
花見をしようがしなかろうが
自分の生き方で桜の花は咲き誇る






聖セシリア学園入り口交差点の一角
今はガソリンスタンドは無くなり
アパートが建てられていた



そこで学校が終わると毎日のように
働いていた高校生だった自分



挫折しては起き上がる事を
何度も何度も繰り返して君は将来


こんな事を言っている
人間になっているよ(笑)




まなぶ