蕨の「喫茶クラウン」〜昭和の時間が閉じ込められた喫茶店〜 | 杉原学の哲学ブログ「独唱しながら読書しろ!」

先日幕を閉じたパステル画展でご購入いただいた「清水坂公園の空」。



この絵を購入者様にお渡しするために、生まれて初めて蕨駅に降り立ちました!

蕨は「アド街ック天国」か何かで見て、ずっと「行ってみたいな〜」と思っていた憧れの場所。なんとなく遠いイメージがあったのですが、思いのほか近くてびっくり。京浜東北線の東十条駅から蕨駅までおよそ11分。あまりにあっという間で拍子抜けしてしまうほどでした。

待ち合わせまで少し時間があったので、駅の東口と西口の周辺をぶらぶらと散策。思った通り、昔ながらの商店街の風情、穴場的雰囲気が漂っていました。

ご購入者様は最近蕨に引っ越されたばかり。あらかじめ「良さげな喫茶店があればぜひご案内ください!」とお願いしておきました。それで連れていってもらったのがここ、クラウン。



その方も実はまだ入ったことがないらしく、一緒にちょっと探検気分で入店してみたのでした。そしたらなんと……。「ここだけ昭和のまま時間が止まっているのか?」と思わずにはいられない、期待通り、いやそれ以上の素晴らしい喫茶店でした。

このご時世に、なんと全席喫煙可。でも店内が広いので、他の席で煙草を吸っていてもあまり気になりません。

メニューもかなり充実していて、しっかり昭和ポイントを押さえています。「プリンアラモード」とか、最近のオシャレカフェではほとんど見ないですからね(笑)。

僕はお腹がすいていたので、がっつり生姜焼きのセットを注文。そしてこの味がもう「そう、これ、これ!」の極み。脳内イメージを1ミリも裏切らない、極上の生姜焼き。いや、もはや「生姜焼き」ではなく「昭和焼き」と呼びたいほど。

続いてデザート。お約束的に「プリンアラモード」を彼が注文したのですが、プリンが品切れ。やはり人気なのでしょう。それで二人ともパフェにしてみました。

すると、こんなエッジの利いたフルーツパフェが出てきたのでした。

 



恐るべきスキルです(笑)。

 

ちなみに僕はバナナパフェ。この生クリームの味も脳内昭和イメージと完全に一致。

 



それから珈琲をおかわりしつつ、結局4時間近く長居してしまいました。

これだけ長居していると、たとえ他の席が空いていたとしても、なんとなく「そろそろ出ていった方がいいかな……」という空気を感じるものです。しかしこの店は、不思議とそういう圧力を全く感じさせません(もちろん席が埋まっていたら自らとっとと退散ですが)。そうしていつの間にか日が暮れていて、なんだか懐かしい感覚に包まれました。

「そういえば昭和の頃は、こういうのんびりした時間感覚の中で生きてたかも……」

自分では全く意識していませんでしたが、いつのまにかアクセクした時間感覚に支配されていたのかもしれません。

そして精算時のレジで発見した「50円ライター」。

 

 

これはもう「100円ライター」と呼んではいけないのでしょうか(笑)。なんだかいろいろ考えさせられてしまいました。

後で聞いたところによると、やはりこのクラウン、喫茶通の間では知られた存在だそう。下記のサイトでもその魅力が美しい写真とともに切り取られているので、ぜひ覗いてみてください。

 


令和の時間に嫌気がさしたら、この喫茶クラウンに来て、昭和の時間を取り戻してみてはいかがでしょうか。