「理由がない」ということほど強いものはない。
「なんか知らんけど好き」
「よくわからんけどやめられない」
「どうしてもそっちへ行ってしまう」
いい悪いは置いといて、
そういう理由なき衝動というものがある。
理由があって好きなことは、
その理由がなくなったら
好きじゃなくなるかもしれないけど、
理由がなくて好きな場合は、
好きな理由がなくなることもない。
でも現実問題として、
それをやりたいわけじゃないけど、
「これをした方がいい」
「こっちに行った方が得だ」
「こっちに行かなければならない」
という場合だってある。
でも、「本当はやりたくない」。
その挙げ句に、
「それをやりたい理由」を無理やり探したり、
強引に作り上げたりしようとすると、
なんだかおかしなことになる。
なぜなら、
「やりたい理由を探す」
という行為の中に、
「やりたくない」
という答えがすでに含まれているのだから。
だからそういう時は、
「いま自分はそれをやりたいわけじゃない」
ということをはっきりさせた上で、
「しかし訳あってそれをやるのである」
ということを明らかにしておいた方がよい。
そうしないと、
自分が本当にやりたいことが、
いつのまにかわからなくなってしまうからだ。