ずいぶん前に、「簡易に変態になれる方法」(2013年2月7日)という記事を書いた。
要するに「パンツ一丁」は普通の人だが、「靴下オンリー」になれば変態、という内容である。そしてその要因は、「隠れるべきところが隠れていない」ことにある、と結論づけた。
あれから五年。ついにもう一つの「簡易に変態になれる方法」を編み出してしまった。それは本当に偶然の産物であった。ノーベル賞級の発見も、その多くは狙ったものではなく、偶然の産物であると聞いたことがある。やはり共通するものがあるのだろう。
その瞬間は、やはり風呂上がりに服を着ようとした時にやってきた。パンツを履こうと寝室に入ると、ベッドの上に思いがけず「ネックウォーマー」が置いてあった。すると僕の手は、まるで何かに導かれるように、そのネックウォーマーを手に取った。
「あっ……」
気づいた時には、僕はもうネックウォーマーを装着していた。
全裸にネックウォーマー。そう、「パンツ一丁」ならぬ「ネックウォーマーオンリー」である。もうまぎれもない「変態」の完成だ。
なぜそれが完成し得たか。言うまでもなく、「隠れるべきところが隠れていない」からだ。
しばらく恍惚としたまま立ち尽くした僕は、自らがいよいよ「新しい領域」に踏み込んだことを、知った。