トランプ当選はアメリカの「伝統回帰」 | 杉原学の哲学ブログ「独唱しながら読書しろ!」

今年の9月から、

「ラテンアメリカ史から近代を考える」

と題した市民講座に参加している。

 

内容は、スペイン、ポルトガルによって

征服された先住民社会に焦点をあて、

そこから「近代」の問題を考える、

というもの。

 

これが大変勉強になる。

 

たとえば……

 

●日本人も「東のインディオ」

と呼ばれていた。

 

●アメリカ独立宣言の「We」には、

黒人、インディオは含まれていない。

 

●北アメリカの場合は

「クリアランス(お掃除)=インディオを追いやる」

してから白人らの家族が入ってきた。

南アメリカの場合は、まず都市を作った。

 

●白人による差別によって、

インディオの独自性が維持されていく一面。

→文化の再編・自己再生。

 

●征服者が入っておよそ50年で、

 先住民の数はおよそ1/10になる。

 

●キリスト教伝道者のうしろには兵士がいる

(軍と教会がセットで入ってくる)。

 

●民衆的な宗教では、

人々が神々に役割を付与する。

役立つ神か、役立たない神かを

決めるのは人間。

 

●万国博覧会の機能=優越主義の民衆化

 

……等々。

 

ラテンアメリカの歴史、

先住民が征服されていく歴史を辿ると、

今回のアメリカ大統領選のトランプ当選も、

アメリカの「伝統回帰」としての

側面が見えてくる。

 

イスラム国の問題もそうだが、

欧米諸国が近代にやってきたことを

振り返って清算する姿勢がなければ、

本当の意味での解決はないのだろう。

 

 

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