いや〜〜〜。
最終戦の黒田を見たかったけど、残念。
札幌ドームに帰ってから
息を吹き返した日本ハムは、強かった。
これは僕の個人的な感想だが、
このシリーズを通して、
明らかに潮目が変わったポイントがあった。
それは第3戦の札幌ドーム。
8回ツーアウト、ランナー2塁。
2対1で広島がリード。
ピッチャーはジャクソン。
バッター大谷を迎えた場面。
ここで広島は大谷との勝負を避け、
中田との勝負を選んだ。
この選択によって、
それまでずっと広島にきていた流れが
スッと離れていくのが見えた気がした。
確かに1塁が空いていたのだから、
ホースアウトを取りやすくするためにも
大谷を歩かせるのは
悪くない選択だったはずだ。
広島としては、
1点リードを守り抜くという
戦略だったのだろう。
しかし、である。
日本ハムファンは、
そしてたぶん広島ファンの多くも、
大谷の打席を見たかったのだ。
前回のブログでも書いたが、
このシリーズは勝敗はもちろん大事だが、
それを超えた面白さが充実した対戦だった。
それをファンは期待していたし、
選手や監督たちもそれを楽しんでいたと思う。
だから、ここでの敬遠に、
広島を応援していた僕も、
「えっ」
と期待はずれな気分になってしまった。
それまで攻めの姿勢で押していた広島が、
一転守勢にまわった瞬間だった。
第1戦からチームの背中を押していた空気が、
この時にスッと消えたように思えてならない。
もちろん、これはチームとして
ベストな選択をした結果なので、
誰を責めることもできない。
勝ちにとことんこだわるか、
ファンに醍醐味を提供するか。
この決断もむずかしいところだ。
しかし日本ハムの栗山監督が
大谷を第6戦に先発させなかったのは、
最終戦で黒田対大谷の対決を
実現させようとしたからではないか。
栗山監督自身は、
それが勝つためにベストの選択と言ったが、
どこかで勝敗を超えたドラマを
演出したいという気持ちがあった気がする。
そうでなくても、
大谷という球界の宝に、
黒田との最終決戦という大舞台を経験させ、
さらに大きく育てたいという思いが
あったのではないか。
それもまたひとつのドラマの演出である。
もちろん実際には、
そんな演出のことは二の次にして
勝負にこだわった方が勝つことも多い。
しかしこのシリーズの序盤では、
このようなドラマを期待する力が、
たぶん広島に有利に働いていたのだ。
その流れを最後まで離さず
行ければよかったのだが、
勝負はそんなにカンタンではない。
緒方監督もまだ2年目。
それでここまできたのだからスゴイ。
チームも歴代最強と言われるほどの強さを誇り、
ファンにとっては夢のようなシーズンとなった。
最後は負けてしまったけれど、
その方がカープはもっと強くなる。
この敗戦はきっと、
これから始まるカープ黄金時代の
布石となるだろう。
来シーズンもぜひリーグを制して、
日本ハムとの再戦を期待したい。
流れが来ようが来るまいが、
どうしたって勝ってしまうくらいの
圧倒的なチーム力を携えて。
……ところで、
黒田の引退撤回発表はいつですか?(笑)