「コピーってどんなんやっけ……」
とつぶやきながら、
かつて教科書として写経していた
仲畑貴志さん(日本一とも言われるコピーライター)
のコピーを久々にながめてみた。
するとやっぱり、
改めていいなぁと思えるものが
たくさんあった。
「人間は、全員疲れているのだ」と仮定する。
(TOTO)
なんだ、ぜんぶ人間のせいじゃないか。
(毎日新聞)
うまくしゃべるほど、ウソになってしまうなぁ。
(パルコ)
昨日は、何時間 生きていましたか。
(パルコ)
生きるが勝ちだよ、だいじょうぶ。
(セゾンカード)
仲畑さんのコピーは、
特定の一人をターゲットにするというより、
大きなザルですくいあげるように、
全ての人々に投げかけるスタイルだ。
しかしだからこそ、
それは人間の本質に迫るものでなければ
機能しない。
そして人間の本質を描いたコピーは、
いつまでたっても古くならない。
ところで、
古くならない言葉の最たるものは、
「ことわざ」や「慣用句」の類だろう。
これらが広告コピーとして
利用されることも多い。
ずいぶん昔にCMで話題になった、
「タンスにゴン タンスにゴン
亭主元気で 留守がいい」
というコピーも、
もともと世間で言われていた言葉に
商品名をくっつけたもの。
逆に言えば、
ものすごく優秀なコピーは、
やがてことわざに昇格する可能性を
持っているのかもしれない。
もちろんそういう形でなくても、
ずっと残っていくコピーはある。
僕の尊敬する眞木準さんのコピー、
「でっかいどお。北海道」。
これは永久に言われ続けそうな気がする。
実は眞木さんはもうひとつ、
「おぉ きぃ なぁ ワッ」
というコピーも書いているのだが、
こっちはなぜかあまり語られることはない(笑)
ダジャレコピーは
往々にしてバカにされがちだが、
実際には非常に効果的な手法であることを
眞木さんは証明してくれた。
とはいえダジャレコピーに固執すると、
いいコピーづくりの基本である
「発見と共感」を追求する力は養われない。
そういう意味で以前の会社の先輩には
「ダジャレコピー」を禁止されていたわけだが(笑)、
僕はもともとダジャレコピーが大好きなのだ。
ここはひとつ原点回帰を試みる
タイミングなのかもしれない。
……もちろん先輩には内緒だ。

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