【講演】べてるの家〜精神障がい者の自立〜(向谷地生良さん) | 杉原学の哲学ブログ「独唱しながら読書しろ!」
「べてるの家」の
向谷地生良さんのことを知ったのは、
『みんな、どんなふうに働いて生きてゆくの?』
(西村佳哲著)を読んだのがきっかけだった。





そこには向谷地さんの
こんな言葉が書かれていた。


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この前、統合失調症をもった
19歳の青年が病棟で大暴れして。
その時に叫んでいた言葉が
忘れられないんですよ。
「ここには人間がいない!」って。
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一つひとつのことに
しがみつかずに済むように、
自分の中にちゃんと
別のレールを敷いていくことが
本当の自立なのだと思う。
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ぜひ一度お話を
聞いてみたいと思っていたら、
先日運良く無料の講座に参加できた。

彼のお話は、思った通り
じつに人間味あふれる
あたたかい内容だった。

下記はその時の僕のメモの一部です~。


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「自分の苦労のとり戻し」を目標に。

統合失調症は百年以上研究されているが、
その実態はいまだ謎。

社会活動を一緒にやっていた時は
統合失調症の人々と連絡先を交換していたが、
精神科の領域に行ったとたん、
「家や連絡先は教えない方がいい」と言われた。
ここに問題があるんじゃないかと思った。

【欧米】医療:1 福祉:9
【日本】医療:9 福祉:1

世界の精神病床の2割を日本が抱えている。

べてるの理念「弱さの情報公開」

「幻覚・幻聴大会」

【当事者研究】
・何が起こっているのかを一緒に考える
・それにどう対処するのかを一緒に考える

彼らは自分の世界に
入ってくれる人を待っているが、
ふつうは拒絶され、
時には手足を縛られる。

新しいことをやろうとすると必ず嫌われる。

面白い人はたいてい窓際にいる。

批判を気にしないセンスを持つ。

「悩んでる」と絶対言わない。
「こういうことを考えてる」と言う。
言葉の使い方は大事!

金もうけしたい!!

「人間らしさ」で人は動く。
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実に心を揺さぶられる内容だった。

実際のところ僕らは、
「人間同士のコミュニケーション」
をどれだけしているのだろうか。

弱さを受け入れようとしないところに、
「人間同士のコミュニケーション」が
存在できる余地はないだろう。


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